出版社内容情報
関白秀吉は小田原征伐を果たし、家康に江戸への転封を命じた。盤石な基盤を築く一方でイエズス会と朝廷の板挟みに苦しみ、明国出兵を決意する。そこには思いもよらぬ秀吉の企みがあり……。民の命を守るため、この暴走を止められるのはもはや家康しかいない。天下を治める者だけが持つ人間の器とは。戦国大河シリーズ前期、堂々完結。
内容説明
関白秀吉は小田原征伐を果たし、家康に江戸への転封を命じた。盤石な基盤を築く一方でイエズス会と朝廷の板挟みに苦しみ、明国出兵を決意する。そこには思いもよらぬ秀吉の企みがあり…。民の命を守るため、この暴走を止められるのはもはや家康しかいない。天下を治める者だけが持つ人間の器とは。戦国大河シリーズ前期、堂々完結。
著者等紹介
安部龍太郎[アベリュウタロウ]
1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒業。90年『血の日本史』でデビュー。2013年『等伯』で第百四十八回直木賞受賞。20年第三十八回京都府文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
170
★安部龍太郎版家康完読幕府 https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11880428 今回は第八巻、小田原征伐&朝鮮出兵です。 豊臣秀吉に翻弄されています。どうする家康❓ https://www.gentosha.co.jp/book/b14844.html2023/03/19
さつき
70
秀吉のもと新たな世の中を作ろうと邁進する家康に次々と新たな辛苦が押し寄せる。娘が嫁いだ北条家を守りたい気持ちは痛いほど伝わります。また、イエズス会に取り込まれたかに見える秀吉への懸念、莫大な犠牲を伴う出兵を食い止めようとする努力は痛々しいほど。新たな天地、江戸の地の利を生かし、その繁栄の青写真を語る姿は頼もしく、もし家康が今の東京を見たらどう思うだろうと空想してしまいました。この巻で前期は完結だそうです。まだまだ長い家康の生涯。ぜひその晩年まで読みたいです。2023/03/20
はちこう
13
前期最終巻となる本巻は、小田原征伐から、奥州仕置、明国出兵の頃まで。秀吉による明国出兵は、未曾有のグローバル化が進む中での決断だったようだ。その背後には、ポルトガルやスペインによる日本植民地化計画もあったとのこと。奥州仕置における九戸政実と浅野長政の関係は興味深い。三分の二の年貢、従わない者は「なで斬り」はあまりにも非道と言える。乱を起こした九戸政実に道理があると思った。著者は「冬を待つ城」で九戸政実の乱を描いている。こちらも読んでみたい。2023/03/23
鬼山とんぼ
12
本作では秀吉が朝鮮征伐を決断していく過程が見事に解明されていた。私が本格的に歴史小説を読まねばと思ったのは20年前若桑みどりの『クアトロ・ラガッツィ』を読んでから。著名な作品はすでに多かったが作家が知る範囲の文献は限りがあり次々新発見もあった。その中で美術史家の若桑氏はスペイン、イタリアまで飛んで16世紀後半の訪日宣教師の原史料に当たり、日本人を洗脳し支配下に収める作戦を明らかにした。おそらく安部さんも同書に刺激を受けたのだろう、この頃から貿易、物流、宣教師などに着目した作品が続々と書かれるようになった。2024/12/12
わらわら
11
「家康、江戸を建てる」門井慶喜を読んだ、家康の人を見る目の鋭さを書かれていた、江戸入城は秀吉の「国配置換え」の命により起こったのか、そこが東京になる、感慨深いものを感じる。この本、時代の流れを把握するにはわかりやすいと感じる。秀吉の朝鮮進出は信長の暗殺から関係している言うくだりもおもしろい(事実かは定かではないが)バテレンの企てがあったのか?家康のキリスト弾圧はここから始まっているのか?と考えた。この巻では家康50歳になっている。まだまだ秀吉の天下である。あと何巻書くのだろうか安部龍太郎氏。2023/09/10