出版社内容情報
高三のバスケ部エース・塚森裕太が突然「ゲイ」だとSNSでカミングアウトした。騒然とするも反応は好意的。しかし同じ学校の隠れゲイの少年、娘をレズビアンだと疑う男性教師、塚森ファンの女子高生、塚森を崇拝する後輩は、彼の告白に苦しみ、葛藤する。それは「本当の自分」になるはずだった塚森も同じだった──。痛みと希望の青春群像劇。
内容説明
高三のバスケ部エース・塚森裕太が突然「ゲイ」だとSNSでカミングアウトした。騒然とするも反応は好意的。しかし同じ学校の隠れゲイの少年、娘をレズビアンだと疑う男性教師、塚森ファンの女子高生、塚森を崇拝する後輩は、彼の告白に苦しみ、葛藤する。それは「本当の自分」になるはずだった塚森も同じだった―。痛みと希望の青春群像劇。
著者等紹介
浅原ナオト[アサハラナオト]
小説投稿サイト「カクヨム」に、2016年10月より『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』を投稿開始。18年に書籍化された同作は、話題作として注目を浴び、大ヒット(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akiᵕ̈
35
自身がゲイであることをSNSで公表し、校内放送に乗せて全校生徒にもカミングアウトした高校生の塚森裕太。その周りに関わる同族、教師、ファン、後輩、そして本人と、五者五様の視点で物語は進む。塚森裕太は爽やかなイケメンで多くの人から愛されている。そんな塚森裕太がゲイ…。様々な視点から、このたった1つの事象のことに湧き上がる感情の違いというものがお見事に描かれていて、言葉では簡単に受け入れて好意的な言葉を投げかけていても受け入れ難い複雑な感情はあるし、何より当事者のログアウトしたい葛藤が何とも切なく心苦しかった。2023/09/29
なみ
15
同性愛者であることをSNSでカミングアウトした、バスケ部エースで人気者で人格者の塚森裕太。カミングアウトは、同じ学校の生徒や部活の後輩などに影響を及ぼしていき──。 完璧な塚森裕太ならこう言う。正しい塚森裕太ならこうする。じゃあ“俺”は? 様々な立場の人間の視点から見えてくる塚森裕太は、あまりにも完成されすぎていて、不安が募っていきます。塚森裕太として生きてきたはずの自己と、何かが決定的にズレてしまった少年の、苦しみと成長の青春小説。梅澤先生みたいな人が、塚森裕太の側にいてくれて本当によかった。(再読)2023/02/01
こばゆみ
12
同性愛者であることをカミングアウトしたバスケ部のエース、塚森裕太と、周りの人たちを描いた物語。自分ではない自分を演じていることを、「ログイン」と称しているのが秀逸だなーと。「同性愛者の人との接し方」なんて、わざわざ聞く必要ないと感じさせてくれるお話でした。2023/02/24
ツバサ
11
タイトルと作品のテーマに惹かれて読みました。主人公・塚森裕太が同姓愛者だと周囲にカミングアウトし、様々な人に影響を与えていく。様々な視点から見る塚森裕太と実際の塚森裕太は乖離していて、タイトル回収する最後は天晴れでした。ブログにてhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2023/01/14/2100002023/01/14
須戸
8
同性愛者であることを打ち明けたバスケ部の高校生と、周囲の反応が描写された物語。同じ場面での同じ台詞でも、話し手の視点で読んだときと聞き手の視点で読んだときで印象が変わった。こういうものを読むと、異性愛者に様々な人がいるように同性愛者にも様々な人がいるのだから、名前の付いた何かで一括りにするのは違和感があるという意見に同意できる。だが便宜上、LGBTやBLや百合という単語は(主にネット上で)使うし、同性愛を受け入れられない人がいるのも仕方がないと思う。試合の行方も気になった。性的表現が強いから人を選びそう。2023/02/19