出版社内容情報
海釣りに出たまま夫が失踪し、その後、年の離れた資産家と再婚した塩崎早樹。彼の前妻も急逝しており、配偶者を喪った者同士、いたわり合う生活を送っていた。ある日、疎遠になっていた元義母から、息子を近所で見かけたと連絡が入る。実家の父親からも、自宅前に似た人が立っていたと聞かされた早樹は、次第に捉えようのない不安に苛まれていく。
内容説明
海釣りに出たまま夫が失踪し、その後、年の離れた資産家と再婚した塩崎早樹。彼の前妻も急逝しており、配偶者を喪った者同士、いたわり合う生活を送っていた。ある日、疎遠になっていた元義母から、息子を近所で見かけたと連絡が入る。実家の父親からも、自宅前に似た人が立っていたと聞かされた早樹は、次第に捉えようのない不安に苛まれていく。
著者等紹介
桐野夏生[キリノナツオ]
1951年生まれ。93年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。98年『OUT』で日本推理作家協会賞、99年『柔らかな頬』で直木賞を受賞。日本ペンクラブ会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じいじ
80
11年前に『柔らかな頬』『魂萌え』を読んで以来の桐野夏生の長編である。ミステリー調で面白いです。或る日、主人公・早樹は、はっと凍り付きます。夫の寝姿が、前夫に重なったからだ。前夫は5年前に単身三浦半島へ釣りに行き帰らぬ人になっていた。死んだと思っていた夫の目撃情報が彼方此方で出てきます。早樹の不安は、どんどん高まります。一気に下巻…。2024/04/11
ワレモコウ
48
夫・庸介が海釣りに行ったまま行方不明になった。7年後に死亡認定され、その後資産家の克典と再婚した早樹だが、元義母や実父から、庸介に似た人を見かけたとの話を聞き動揺する。庸介の友人に話を聞くうちに、自分の知らない夫の姿ばかりで出てきて、ますます心が揺れる。もはや、庸介の生死よりも、夫が何を考えどう生きていたのかが知りたくなった早樹は、次々と行動を起こす。面白い!一気に読み進めてしまった。下巻へ。2023/05/05
ピース
46
8年前に釣りに出かけたまま戻らなかった夫の目撃情報を耳にする。すでに死亡宣告が出されていることからも信じられないと思いながらも気になる。そして当時の夫について調べてみると自分が知らないことが多く愕然とする。夫は本当に生きているのか。そしてどんな真相に辿り着くのか。下巻へGO。2022/12/17
のんちゃん
43
早樹の最初の夫は海釣りに一人で出たまま、荷物だけ残し船からいなくなった。その後、早樹は歳の離れた資産家と再婚。穏やかな生活を送っていた矢先に元義母から、最近、失踪した息子を見かけたと連絡が入り、早樹は真相を探り始める。同い年の義娘からのSNSでの攻撃や早樹が真相追求する中で暴かれていく元夫の過去、資産家の妻になった早樹への元義母やまわりの敵意に近い視線や発言に疲れ果てる読書だが、桐野先生の筆力で約450頁も一気読み。お気に入りさんが読まれていたので、読んでみたがとても惹かれた。下巻に突入‼️2022/10/25
ざるこ
41
海釣りに出たまま消息不明の庸介。数年後、妻の早樹は夫の葬儀を終え、仕事で出会った資産家の克典と再婚する。遺体のない葬儀なんて、こんなのどうやって折り合いをつけたらいいのか。克典との穏やかな暮らしも次々と問題が勃発。克典の娘の悪意あるブログや庸介の母の意地悪で嫌味な態度。取り巻く人物たちの異様さがとても丁寧に描かれてる。親友の美波との胃のキリキリするような会話もいい。相手に「合わせてやってる」感を醸し出す早樹がなんだかいけ好かない。あなたにも何か問題あったんじゃ?と言いたくなる。そして庸介の姿が目撃され…。2023/06/23