内容説明
最初は愉快犯の可能性も疑われていた「誘拐サイト」だったが、ある事件をきっかけに、一気に凶悪な姿を見せる。犯人の要求はエスカレートし、新聞社やテレビ局を恐怖に陥れる。果たして犯人の本当の狙いは何なのか?誘拐犯、警察、メディアによる三つ巴の駆け引きの末、事件は驚くべき結末を迎える―。息もつかせぬ怒涛の一気読みミステリー!
著者等紹介
百田尚樹[ヒャクタナオキ]
1956年、大阪府生まれ。放送作家として「探偵!ナイトスクープ」などの番組で活躍後、2006年に『永遠の0(ゼロ)』で作家デビュー。13年に『海賊とよばれた男』で、第一〇回本屋大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiru
144
下巻は、誘拐犯VS警察VSメディアの三つ巴で幕をあける。人間の習性や心理を利用した日本全体を巻きこむ誘拐事件の裏側を描く。その裏側が面白い!半信半疑の刑事、数字に固執するメディア、体裁重視の新聞社。誰が出し抜き、誰が罠に落ちるのか? 一瞬も気の抜けない頭脳戦。しかし下巻に入るとたった数ページで物語の背景が反転するとは…! 神であろうと「命」に「値段」をつけることは出来ない。極上ミステリーの傑作を読めて楽しかった✨エンタメ作品としても朱玉の一冊!是非とも映像化してほしい🎬 ラスト1行が最高で爽快✨ 2022/07/01
白いワンコ
106
主人公がいない?という問題は(下)序盤で回答がほのめかされ、読み進めていくうち徐々に輪郭を濃くする。意外なことは読後感が爽やかなことだが、解説で作者の代表作に触れており、この点にも納得だ。まとまりある、よく出来た作品だと思う。ミステリーというには、隠されたカードがやや少ないとはいえ2022/06/30
いこ
104
上巻は「新聞社」「放送局」「出版社」「警察」の視点から話が進んできた。下巻は、ここに「犯人」「人質のホームレス」の視点が加わり、物語を引っ張る。特に、語られてゆく人質各人の過去は壮絶であり、物語の核ともいえよう。読書から知ることは多いが、「命の大切さ」「人権保護」を謳っているはずのマスコミの裏の世界に驚いた。そして、いつのまにか犯人を応援している自分がいた。確かに「誘拐」は犯罪であり、「殺人」なんてもってのほか。しかし、物語の終わりは爽やかですらある。著者の幕の引き方に舌を巻いた。一気読み必至の一冊。2023/05/14
金吾
90
○ミステリーとしても面白かったですが、マスコミの偽善性や大企業の傲慢さも面白かったです。また佐野くんが最後までいい味をだしていました。2024/01/06
shinchan
90
百田さんがミステリーを書き上げるとこうなるんですね。いつの間にか犯人側を応援しながらの一気読みでした。映画化に期待してしまいますが、、、⁉️ 百田さん器用すぎますねー。エピローグが更にしっかりストーリーを締めてくれましたし。あー面白かったですね。2022/11/10