出版社内容情報
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内容説明
コロナ禍、収益が萎む出版界で左遷の憂き目に遭う編集者の佐伯華。実家の食堂もやはり売上が落ち、酒浸りの父に金を無心されて、絶望感に苛まれていた。そんなとき親友に紹介されたのがマッチングアプリだ。狙うのは年商数百億円の財閥の御曹司。会えない日常を逆手にとり、華は美容に励み、両親を偽装までして、“上級国民”入りを目指すが…。
著者等紹介
新堂冬樹[シンドウフユキ]
金融会社勤務を経て、現在はコンサルタント業や芸能プロダクション(新堂プロ)を営む。「血塗られた神話」で第七回メフィスト賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
78
コロナ禍で左遷となった編集者華。仕事のできない新人が銀行のお偉いさんの娘ということで優遇されるという不条理。高校生の頃からバイト代を家に入れずっと援助してきたにも関わらず父に更に無心される。そんな時マッチングアプリで財閥の御曹司と出会い彼をおとすために覆面作家を父と偽り替え玉をたてたりして彼の気をひき遂に婚約まで。しかし…嘘に嘘を塗り重ね、親友の進言も聞かぬ華。結婚したとしてもこの先どうする?やっぱりね、綻びはあそこから、そして悲惨な結末。娘にタカる親、こんな親だからできあがった娘。ああ救いがない。2025/09/28
ムーミン
31
使いたくない言葉ですが、ずっと「胸くそ悪い」感情で読んでいました。2022/04/03
そうたそ
12
★★★☆☆ 同著者の「ろくでなし」のシリーズかと思ったら、なんの関係もなかった。コロナ禍で左遷の憂き目に遭った編集者が、マッチングアプリで財閥の御曹司を見つけたばかりに、嘘に嘘を重ね、上級国民入りを目指し、やがては転落していくストーリー。シンプルな筋立てで読みやすいが、その分重厚さは皆無。最後も著書の作品にしてはあっさりめで、初期の著者の作品なら、堕ちていく様を徹底的に描いていたものだが、随分大人しくなってしまったものだな、と思った次第。2025/07/15
chiro
9
「と」なので相手も悪いヤツ!な物語かと思ったら御曹子サマは(性癖はともかく)いい人ではないか!この親にしてこの子あり。親が親なら子も子。と云うべきか。2022/09/14
teru
9
親の為に青春を犠牲に働いてきた華は、理不尽なリストラにあい、マッチングアプリで御曹司を落としてセレブになろうとする。 結局親が親なら子も子、偽物の父親も同じ、親友のユキだけが救いでした。 気分の悪い読書でしたが、引き込まれあっという間の読了でした。2022/06/07