出版社内容情報
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内容説明
東京都内で連続殺人が発生。凶器は一致したものの、殺されたタクシー運転手やお年寄りに接点は全くなく、捜査は難航を極めた。過去のトラブルで心を壊したベテラン刑事・田伏はITオタクの新米・長峰と犯人を追うが、事件はインターネットを駆使した劇場型犯罪に発展してしまう…。SNSの功罪、格差社会の現実を描き切る傑作警察ミステリー!
著者等紹介
相場英雄[アイバヒデオ]
1967年、新潟県生まれ。89年、時事通信社に入社。2005年、「デフォルト―債務不履行」で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
91
『血の轍』の続編だと思ってよく見ずに書店で購入。読んでみたら、登場人物たちが全然違っていて、警察モノであることとネットの怖さが共通点。ちなみにこちらの方が最後まで裏切られない興奮がある。風評被害は、恐ろしい。ネットで誤情報がリツイートされたら、もしくは状況を深く考えずに投稿されてしまったら、そしてそれが仕事や家族にまで影響を及ぼす事態になれば、一生ついて回ってしまう。その問題は、福島が原発事故の後に陥った風評被害と重なるのだと作者は考えているのだろう。西日本に住む私も、目を向けるべきだなと思わされた。2024/12/31
アッシュ姉
70
凶器は同じなのに被害者の接点が見つからない連続殺人事件。捜査が難航するなかインターネットを使った劇場型犯罪へと発展してしまう。予想のつかない展開で楽しめたが、犯人の目的が見えてくるとズシリと重たかった。前半と後半の読み心地の違いに戸惑ったが、あとがきで相場さんの熱い思いにふれて良かった。2023/04/18
dr2006
51
不満を吐き出す為の裏アカは義憤や嫉妬で構成されることが多い。都合の良いところだけを切り取り自慢に満ちた表のアカウントが人気になればなるほど、その反動で負の感情が貯まるはずだ。日本は災害が多い。いつどこで自らが被害者になるかわからない。災害の報道は直ぐに新たな災害のニュースに追いやられ、災害の後の復旧や望まれる復興は、その他の人々の記憶から徐々に消えていく。都内で連続殺人事件が発生した。凶器は一致するが殺された人々の接点がなく捜査は難航した。ネットを巧みに操る犯人「ひまわり」の真の狙いとは。田伏刑事が追う。2025/08/19
GAKU
44
積読本消化。好きな作家、相場さんの作品なので、それなりに面白かったです。うん、それなりに。2022/06/02
タルシル📖ヨムノスキー
30
東京都内で起こる連続殺人事件。殺されたのは自称モデルの女性、初老のタクシー運転手、町内の治安を守る好好爺。これらの事件、凶器は一致するも、3人に接点はなく…。捜査にあたるのは過去の事件のネットトラブルで心を壊してしまったベテラン刑事の田伏、そしてITに詳しい新米刑事の長峰。最近よくあるネットの闇がテーマの小説かと思いきや、後半その内容や意味合い、そしてテーマはガラッと変わる。どう変わるのかは裏表紙にも一切書かれていないので伏せておくけれど、これは本当に衝撃的な物語でした。そしてモヤモヤする事件の幕引きも。2023/06/24




