内容説明
高校生の一花には秘密がある。思いを寄せる幼馴染・陸の女装趣味に付き合い彼の着せ替え人形になっている事だ。陸は一花を理想の女の子に仕上げては満足していた。ある日、突然キスをされた一花は動揺し部屋を飛び出してしまう…。いつまでも同じではいられない、でも今の自分も認めて欲しい―自我と向き合い始めた少年少女の四つの成長物語。
著者等紹介
田丸久深[タマルクミ]
1988年、北海道生まれ。2015年に第一〇回日本ラブストーリー&エンターテインメント大賞の最優秀賞を受賞し、『僕は奇跡しか起こせない』(宝島社文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
174
陸くん、女神にはなれなかったね。どんな形であれ、人を好きにあるということは幸せなことだよ。それにしても、あっちでチュッチュッ、こっちでもチュッチュッ、あっちで触れ合い、こっちでも触れ合い、おっさんは読んでて照れてきたけど、物語自体はしっかりしてたかな。読んでて自分の学校祭の事を思い出したよ。皆、社会人になったら自分の幸せの形を見つけて、歩んでほしいね。田丸さん、今度は高校生でなく、もうちょっと年齢設定をあげた物語を書いてほしいな。とにかく読んでていくうちに照れてくる(笑)【サイン本】2021/08/13
あおでん@やさどく管理人
26
思春期は、少年少女たちが初めて「違い」をはっきり意識する時期なのかもしれない。いつまでも同じではいられないし、一緒にいたとしても好きなものまで全て一緒というわけでもない。そこで大事になるのは、みんなが違うということを理解し、相手を認めることなのだろう。2021/08/19
こばゆみ
7
タイトル通り、自分の性別に違和感のある男子高校生・陸くんを中心に、周りの高校生たちを描いた連作短編集。性別に違和感を持つ人の葛藤を抉っているわけではなく、陸くんのキャラクターが周囲に馴染んでいるのでライトに読めた。ただやたら体に触れる描写が多いのが、物語の雰囲気からちょっと浮いていて気になった。2021/08/07
datsuryoku_neko
6
ジェンダーに悩む人に読んでもらいたい。人と人との恋愛を描く中で、好きなものを好きでいていいんだって思える作品だと思う。2022/01/28
MAMI.
6
★★★☆☆2021/07/28