内容説明
高校最後の大会で五千メートル走の再戦を誓った、怒力型の碧李と天才型の貢。しかしチームメイトの不祥事で、貢がまさかの出場停止に。再戦ができないと消沈する碧李だが、彼らの勝負を見届けたいと、マネジャーの久遠がある秘策に出て―。走る意味を問い続けた高校生ランナーたちの葛藤と、純粋な走る喜びを描く、シリーズ最終巻。
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年岡山県美作市生まれ。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、『バッテリー』全六巻で小学館児童出版文化賞、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さち@毎日に感謝♪
22
忘れかけていたシリーズ最終巻。あさのあつこさんの作品は読んでいて一気に学生時代の頃に戻る感じがします。碧季と貢の関係が走る事を通して一生ものの関係なんだろうなと思いました。読み終えてまた最初から読みたくなりました。2021/09/08
鈴木拓
21
このラストシーンはとても好きだ。同時に、シリーズが最終巻であることがとても寂しい。碧李と貢がどのように成長していくのかも気になって仕方がない。ランナーは、走っているときは独りだが、決して一人で成長できるわけではない。そのこともこのシリーズではしっかりと描かれているのが素晴らしい。そして、ライバルの存在が互いの能力を高めあうというのは間違いないことなのだろう。人間は筋肉や骨だけでは生きているのではなく、心があるからこそ面白い。シリーズを通して満足の面白さ!2022/10/23
じゅむろりん
19
前作から5年空けて手に取ったシリーズ最終巻。孤高の天才高校生三堂貢と三堂に挑む事がタイムよりも大事な加納碧李。実力差は歴然だが、お互いを意識し、惹かれ合う。雌雄を決する舞台が理不尽に奪われても「走る」ことさえできればそれでよい。少年漫画のような青春ものと一線を画し、走ることのみに焦点を当てた本作は高校生の感情にできない感情を見事に表現しています。二人が競技を超えて、自分を解放するラストシーンが好きです。何事も意味を求める必要ないですよね。考える前に走ってる二人の将来に幸あれ。2022/06/13
Totchang
12
高校生のスポーツ小説シリーズランナー第4段。解説がなんと元アントラーズそして日本代表の内田篤人。いわく「本作で何度も提起される『なぜ走るのか』という問いかけに対し、この作品を読んだ人は何を思うのだろう。高校生だった頃の僕は、ただサッカーが好きだった。好きだから走り続けた。」。 解説までも大いに楽しめる一冊でした。2021/08/08
しのなお
7
出ていたことに気付かず古本屋で発見。ランナー3を読んでから、ずいぶん経つが、割と登場人物について、違和感なく入れました。最後は、まぁこれでいいのかなぁ。2023/07/17