内容説明
作曲家になること、恋人との結婚…。たくさんの夢を抱えたまま、浅野大義は肺癌のために20年の短い生涯を終えた。告別式当日。164名の高校の吹奏楽部OBと仲間達が涙で演奏する大義が作曲した市立船橋高校の応援歌「市船soul」。人生を精一杯生ききった大義のための1日限りのブラスバンド。関係者の証言で描く感動の実話ストーリー。
著者等紹介
中井由梨子[ナカイユリコ]
1977年兵庫県出身。劇作家・演出家・演技指導講師。96年、神戸で旗揚げされたガールズ劇団・TAKE IT EASY!に座付き作家として入団。2005年に活動拠点を関西から東京へと移す。10年、劇団CAC中井組の座付き作家・演出家に就任し、13年まで活動。18年2月にmosa¨ique‐Tokyoを結成。映画「20歳のソウル」の脚本・プロデュースを担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おしゃべりメガネ
171
奇しくも二十歳の息子を持つ親としては、とても他人事とは思えずに最後までイッキに読了してしまいました。市立船橋高校の吹奏楽部に在籍した一人の青年にまつわる話を主に母親目線で綴っています。読む前からきっと涙しちゃうんだろうなぁとは思っていましたが、やっぱりしっかりと涙してしまいました。市立船橋の応援歌『市船soul』を作曲した主人公のあまりにも短い生い立ちを関係者が温かく語るその流れに、いかに本人が皆に愛されていたかが伝わります。後半は涙なしにはページを捲るコトができないコト必至な感動マックスの実話でした。2022/04/30
hiace9000
151
読む前から泣く覚悟はしていながらも、1頁目、朝日新聞記事の段階で涙腺制御不能。夢との出会い、人との出会いが人生を変えていく。長い短いが人生の価値を決めるのではない、その人のSoulが関わる多くの人を変えていく。大義の優しさ、情熱、誠実は親も知らないところで確かな縁をつくっていた。神曲"市船ソウル"誕生秘話だけではない、恩師との堅い師弟の絆にも心震える。本作は人の「死」のみで涙を誘う作品ではない。等身大の一青年の、夢中に生き懸命に輝いた命が、今からを生きる我々のsoulを力強く鼓舞し、勇み立たせてくれる。2023/06/24
いこ
122
これは、市立船橋高校の応援歌「市船soul(いちふなソウル)」を作曲した浅野大義君が、20年という短い人生を生き切った記録である。短いけれど濃い人生であったと思う。市船に入学し、恩師の元、吹奏楽部の仲間と切磋琢磨して絆を深めた。自作の応援歌は伝統となった。19歳で病魔に襲われるが、いつも相手の立場に立ち、助けとなり、沢山の人に愛された。結婚を夢見た恋人とは、病室でも仲睦まじかった。彼の告別式には700人以上が参列、部活の先輩後輩も、なんと164人が集まり演奏を披露。涙が溢れない頁を見つけられない1冊。 2022/08/04
NADIA
102
私は知っている。本当にイチフナの吹奏楽部の演奏はすごいのだ。あの吹劇を見れば(聴けば)誰もがその迫力と完成度の高さに驚くと思う。この作品では市船吹奏楽部を卒業し、わずか二十歳で病気によりこの世を去った青年が、多くの人に残したものが語られる。この手のストーリーは結末が分かっているのだけど、短いが濃密な人生を歩んだ彼を見送る人々の姿にも涙が止まらない。ただ悲しいだけではない。悲しみを超えた大きな感動に心を揺さぶられた。映画ももちろん見るつもりだ。2022/05/22
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
95
(2024-48)スタンドに響き渡る美爆音。軽快なメロディで選手たちを鼓舞する神曲「市船ソウル」。その背景にこんな物語があったとは。音楽が好きで好きでたまらない一人の青年、浅野大義さん。癌と戦い僅か20歳でこの世を去った若者。その彼を送る為に告別式で音楽を奏でた164人もの仲間達。ほんとに多くの人に愛されていた青年だったのだなぁ。たった6小節の短いメロディではあるが、彼の音楽はこれからもずっと市船の心を応援し続ける。♪攻めろ、守れ、決めろ、市船♪感動の五つ星。★★★★★2024/04/03
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- 和書
- ポンコツ一家