出版社内容情報
ようこそ、毛布をかぶった寒がりの街「ブランケット・シティ」へ。待ち合わせは、ロビーしかない老舗ホテル「バビロン」で。日中は、「閑をもてあました消防隊」によるコンサートや影の絵画を展示する「冬の美術館」にお出掛け。夜は、本好きのための酒屋「グラスと本」で読書をしながらちょっと一杯。読むだけで旅した気分になる、架空の街の物語。
内容説明
ようこそ、毛布をかぶった寒がりの街「ブランケット・シティ」へ。待ち合わせは、ロビーしかない老舗ホテル「バビロン」で。日中は、「閑をもてあました消防隊」によるコンサートや影の絵画を展示する「冬の美術館」にお出掛け。夜は、本好きのための酒屋「グラスと本」で読書をしながらちょっと一杯。読むだけで旅した気分になる、架空の街の物語。
著者等紹介
吉田篤弘[ヨシダアツヒロ]
1962年東京都生まれ。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作とデザインの仕事を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
150
これは吉田篤弘氏の理想郷なのか。そんな不思議な街の“ブランケット・シティ”の物語。暇をもてあました消防隊のコンサートを鑑賞したい。本好きのための酒屋“グラスと本”、自分にピッタリの店ではないか。それ以外にもいろいろな店があり、魅力的な街である。吉田篤弘氏の分身と思わせる個性豊かな人達が、あっちこっちに住んでいる。なんと魅力的な街なんだ。本気で住んでみたいと思う。吉田篤弘ワールドが全開の超ショートショートな物語。【読んだ本登録通算1400冊目】2025/08/29
KAZOO
113
吉田さんの短編(といっても1話が2~3ぺージですが)連作の楽しい物語集です。ブランケットシティという場所でのデイリィブランケットというミニコミ誌に連載されたものとされています。1から10までの数字を奇数と偶数に分けて番号付けしています。また吉田さんの単色のイラストが話に味付けして興味を増してくれます。最後にそのミニコミ誌が数ページつけられています。2025/03/15
aoringo
76
ブランケットシティという架空の街の紙面に綴られたコラム、という名の掌編。普通にありそうで少し変わったこの街。いささか風変わりだけど、そこで生活している人達はどこかのんきでのんびりしている。なんか幸福度高そう。時間の流れもゆっくりな気がして、しばしの現実逃避を味わえた。静かな冬の夜によく似合う作品だった。2024/11/22
へくとぱすかる
76
「ブランケット・シティ」に行きたくなる本。あの安野光雅さんの本にちょっと似た感触もあるが、徹底して日本の日常から遠ざかって、架空の、とにかくここではない町に連れて行ってくれる。なんだか心まで洗濯してくれたみたいだ。読書に疲れた目にもやさしい、黒地に線画のイラストページとあいまって、洗練された都会生活を思わせる。物語のようなエッセイのような、不思議な世界からの通信がはさみこまれる。ラストにある、デイリー・ブランケット紙のコピー? の仕掛けがほほえましい。架空の町を作り上げるなら、ここまで芸が細かくないとね。2022/11/09
おうち時間
43
吉田さんの本は寝しなに少しずつ読むのがおすすめの本が多いのですが、こちらもそんな1冊です。毛布をかぶった寒がりの街「ブランケット・シティ」に住む27歳のブランケット・ブルーム君の書く連載コラム、その名も〈ブランケット・ブルームの星型乗車券〉名前だけでワクワクしますね。ファンタジーな内容は勿論のこと、コラムの内容ごとに描かれている吉田さんのイラストも可愛らしくて癒やされます。そしてこの本の最後の付録も凝っていて楽しめます。また時間を置いて繰り返し読んでみるのも良いかも。頭が疲れて寝付けない夜におすすめです。2024/05/11




