出版社内容情報
後ほど
内容説明
ソ連国営国際旅行公社の職員と別れ、ホテルに戻った。窓からボリショイ劇場とクレムリンの赤い星がうっすら見える。寝付けずに数学の問題集を解いていたら、朝8時になっていた―。モスクワを歩き、同じソ連でも別世界の中央アジアへ。帰路のバイカル号では不思議な「授業」が待っていた…。少年を「佐藤優」たらしめた全40日間の旅の記録。
目次
第6章 日ソ友の会
第7章 モスクワ放送局
第8章 中央アジア
第9章 バイカル号
第10章 その後
著者等紹介
佐藤優[サトウマサル]
1960年生まれ。作家・元外務省主任分析官。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在露日本大使館勤務等を経て、国際情報局分析第一課主任分析官として活躍。2002年背任等の容疑で逮捕、09年上告棄却で懲役二年六カ月(執行猶予四年)の判決が確定。13年に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失う。『国家の罠』(毎日出版文化賞特別賞受賞)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かずぼう
33
日ソ友の会の元陸軍情報将校の日下、篠原さんの話が興味深い。「ソ連についてよく知っておくことは重要、しかしソ連の思想にかぶれたらダメ、ロシア人は共産主義なんか信じていない、共産主義ではなくロシア人の本質について知ることが重要。あいつらには底力がある」元シベリア抑留者だけに言葉に重みがある。北方領土問題は、新たな深層を知る事が出来た、国後、択捉島については、もしかしたら日本の後出しジャンケンかも。それにしても、佐藤優氏の人との関わり方の深さ、行動力はスゴイの一言。2023/03/24
さきん
31
ロシア・中央アジア、帰国、その後と影響受けた人など。より著者のパーソナルに迫れた。著者の親世代は戦争中は20代から30代であり、戦後の生き方に各々使命をもって生きていることを感じた。中古品が高かったり、鶏肉が牛肉よりも高級だったり、不思議な世界が共産圏には広がっていたと感じた。2021/01/16
あんPAPA
22
下巻ではソ連国内での観光が限定された事もあってか、トラブル絡みや政治思想的な内容が多く少々重苦しかった。帰国時に船内で知り合った男が持ち掛けた話から通関で罰金・没収の憂き目に遭ってしまう。それを素直に父親に報告する本人も偉いが、安易に叱るのではなく良い経験をしたと云い、経験が大人の生きる知恵に繋がると教える父親の姿勢がさらに素晴らしい。後書きでは足早に現在に至るまでの事が紹介され、高3の授業でかのラインホルド・ニーバーの原著に触れたとの由。当方は中年を過ぎて「二ーバーの祈り」を知り感嘆したものだが・・・。2023/03/15
naotan
20
本当にこの旅行が佐藤少年の人生を変えてしまったんだなあ。最後の税関での失敗を「良い経験をした」と言えるお父さんが素晴らしい。2020/09/30
ミチ
9
15歳にして体験出来たからこそその後の人生において一生活きた財産になる。その場その場での人との繋がりや会話のやり取りを想像するに15歳とは思えない知識と行動力でありもし同じ15歳の時に近くにこのような人がいたら自分は影響されただろうか。今からでも遅くはないから行動してみるべきだと考えさせられた。2024/06/26