内容説明
「いつでも、誰でも人格者になれます」。名前も年齢も異なるのに、同じ性格をもち同じ行動をする人達がいる。彼らは、チェーン店ならぬ「チェーン・ピープル」と呼ばれ、品行方正な「平田昌三」という人格になるべくマニュアルに則り暮らしていた。そんな時、429人目の平田昌三が、殺人事件を起こす。温和なはずの彼は、なぜ人を殺めたのか―。
著者等紹介
三崎亜記[ミサキアキ]
福岡県生まれ。熊本大学文学部史学科卒業。2004年「となり町戦争」で第十七回小説すばる新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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相田うえお
87
★★★☆☆21031【チェーン・ピープル (三崎 亜記さん)k】①たしかに何ちゃらマンと怪獣が街の中でドタバタしたら近隣住宅全半壊だ。三十年ローンで買った家が〜!と。敵が単独で暴れるてるよりも正義の味方が戦うことによる被害の方が大きかったとは。②自叙伝じゃなくて似叙伝ですか。自叙伝を他人に創作してもらう?③チェーン店じゃなくてチェーンピープルですか。④心の中にだけある国の地図。普通の概念では理解不能⑤ゆるキャラの中に人などいない。さて、裸の王様の様に着ぐるみが見えないゆるキャラとは?⑥応援、諸刃の剣だ。2021/04/04
Mumiu
27
事象は一つ、接する人の数だけの真実ができあがるという短編集。結構笑えないはなし。ほんとうに怖いモノは妖とかよりもごく身近にあるんだよね。2021/03/09
tokko
20
日常の中の非日常というか、普段先入観にとらわれて見逃している「何か」にスポットライトを当てて「そういう世界」を描くのが上手でした。何となくわからない世界のままで突き放してもらってもよかったのかなぁ、少し「ここはこういうことなんだよ」と説明しすぎている気がしました。もちろんわからないままのことはたくさん残しているんだけど、もっと寓意性に満ちた物語の方が好みです。2020/02/24
RIN
16
図らずも本作もフリーライターが主人公。世の中に蔓延る「正義」なるものの正体を見極めようと取材を続ける連作集。どの作品も今の世相をうまく反映しており、誰かをモデルにしてる感じでもないのに、特定の出来事や人が脳裏に浮かぶ。淡々とした語り口が「やっぱり今の世の中ちょっとおかしいよね」と感じさせる。『震える天秤』の主人公に動く前にこれを読んでちょっと落ち着けと言いたくなった。2024/05/16
kei@名古屋
15
またも奇妙な世界に連れて行かれました。三崎さんはやっぱり面白い、文章だから作れる世界観を描かせたら本当に面白い!だけど人には勧めない。私だけの世界。という感じです。本当に空想の世界は無限の広がりを感じます。2019/11/27