内容説明
好条件、好待遇の期間限定シェアハウスキャンペーンで集まった、年齢性別バラバラの男女4人。管理人を含めた共同生活の中、彼らの仲は徐々に深まっていくが、風見鶏がなくなったことがきっかけで、住人達は疑心暗鬼になっていく。彼らが集まったのは偶然?それとも―。明かされる真実に心が驚きと優しさで満たされる、爽快な余韻が残る傑作。
著者等紹介
名取佐和子[ナトリサワコ]
兵庫県生まれ。明治大学卒業。ゲーム会社に勤務した後、独立。2010年『交番の夜』で作家デビュー。著書にエキナカ書店大賞を受賞した『ペンギン鉄道 なくしもの係』ほか、『江の島ねこもり食堂』、「金曜日の本屋さん」シリーズなどがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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柊文庫本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
138
『不動産屋に勧められた「シェアハウスおためしキャンペーン」に参加することに当初、戸惑いや不安がなかったと言えば噓になる』。そんな戸惑いの先に『風見鶏』が屋根のてっぺんを飾る洋館で暮らし始めた四人の住人たち。そこには、怪しさ満点の管理人・弓月も加わる『シェアハウス』の日常が描かれていました。『ベイリー邸』の雰囲気感にとても魅かれるこの作品。『風見鶏の七不思議』や『あかずの間』の存在など、謎解きのお楽しみもあるこの作品。少し強引な感はあるものの、鮮やかに繋がる〈終章〉のハッピーエンド感に満足感漂う作品でした。2024/06/14
優希
58
面白かったです。ファンタジックな雰囲気でした。シェアハウスに集った人たちは少し変わった人たちでしたが、彼らの生活を見ていくうちにどんどん引き込まれていきました。2020/08/26
dr2006
57
風見鶏が屋根に居る歴史ある洋館、週一回の食事会とか…個性的な住人たちのドタバタ劇かと思ってたが、凄く奥行ある展開で、全回収のラストは感動的だった。破格の好条件に入居希望が殺到したが、今の住人4名が選ばれた。年齢や性別はバラバラだ。各話で住人たちの素性が明かされていくが、実は彼らがこのシェアハウスに集まったのは偶然ではないらしい。いつも黒づくめの服を着た若い管理人も謎の一人だ。日常を基点に徐々に深まるミステリーにまんまと引き込まれたが、やはり名取ワールドは抽斗が多い。そしてどれも面白いので結構ハマってる。2022/01/26
じょんじょん
54
初読み作家さんと思っていたら『江の島ねこもり食堂』を読んだことがありました。本作はかなり雰囲気が違います。シェアハウスに集まる4人にまつわる4章と管理人、オーナーもかかわる終章の構成。タイトルからはハートフルかなと思いましたが、そうでもなかったです。住人4人のトラウマほぐしの4章のうち、正直1、2章は入り込めませんでしたが 3章「ハッピーバースデー」母娘の確執ほどきは惹きこまれました。終章は4人が集まった理由、管理人とオーナーの関係など、謎解き要素が強かったです。ハートフル満足度はいまひとつだったかな。2021/08/28
たるき( ´ ▽ ` )ノ
53
再読。心があたたかくなった(*´∀`*)何気ない自分の行動が、実は誰かの救いになっていたりする。それは奇跡って呼んでもいいんじゃないかな。この作家さんの作品、好き♫2021/03/18