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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
319
児童養護施設でのお話が5話連作。各話の後にその話に関わる人の、関連するけど別話の回顧録が納めてあるスタイル。文庫版では解説とも繋がって更に良いね。施設で働く人、施設に身を寄せる人の思いや考え、葛藤等が良く描かれていて勉強になります。外野から“理想的な(?)利用者像”を創って仕舞う事が無い様にしたいですね。それは他のセーフティネット利用者についても同じですね。子供が施設に来た理由は詳述は避けられている様でね。重過ぎる事は無い様に思います。「3 昨日を悔やむ」が特に良かったよ。でもそれを記す紙幅が無いね。2024/01/10
カメ吉
265
すごい作品でした。最後の解説までしっかり読んでほしい作品でした。 自分も児童養護施設という施設に無知であって認識が浅かったのですがわかりやすく明るく書かれていて刻まれた感があります。自分と同じく多くの人が誤って理解している認識が覆ると思います。物語は決して重くなく明るく自然に進んで最後は清々しい読後感でした。特に『昨日を悔やむ』の章は感涙モノでした。 実際にモデルがあったのと有川浩氏の取材力、筆力がこの作品の持つメッセージを強くしてる。 ぜひ議員さんや公務員に読んでほしいですね。2018/06/10
mmts(マミタス)
260
☆「児童養護施設」に入所する子ども達がストーリーの主人公達だった。☆「家族や家庭に恵まれずに児童養護施設に保護された子ども達は可哀想だし不憫だ。」の発想からストーリーは始まるのだ。☆果たして児童養護施設に居る子ども達は可哀想な存在なのか。究極の問題提起である。☆あるいは、家族から虐待され家庭に居場所がないほうが当事者の子ども達には辛いかもしれない。それは子ども達にしか分からない。☆中脇初枝さん「きみはいい子」と野島伸司さん「明日、ママがいない」を思い出した。☆子ども達に笑顔が咲くように祈るしかない。2018/05/24
mapion
233
児童擁護施設『あしたの家』で繰り広げられる物語。施設で暮らす少年少女たちと、そこで働く大人たちのやり取りに何度か涙が滲みます。悲しいから出る涙でなく感動して出る涙、よい涙です。あしたの家の子らもあって欲しいと願う、施設を出たあとの若者たちを支援する『日だまり』が事業仕分けで潰されそうになります。少年少女、施設で働く大人達は潰させまいと動きます。クライマックス講演の場で、少年少女らの言葉にまた涙が。読めば多くの方は児童擁護施設のイメージが変わるのではないでしょうか。文庫版の解説者に驚き、さらに喜びが。2025/10/24
ぱるぷ
168
★★★★☆ 『児童養護施設で暮らすのは可哀想じゃない』って事を知って欲しい女の子の手紙から小説に……施設のイメージがガラリと変わった‼︎ たくさんの人に読んで欲しい‼︎ 解説までがとても良い‼︎2018/04/13




