内容説明
警察のガサ入れを実況中継する高視聴率バラエティ『生激撮!』は過激さが反響を呼び、今や新東京テレビの看板番組である。プロデューサー五味剛はある日覚せい剤密売犯の顧客名簿に“局内の大物”の名前を見つける。その後次々と暴露される“ヤバイ話”の裏で進む陰謀の正体とは?欲望と嫉妬が渦巻くテレビ業界を描く怒涛のノンストップ・サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まこみん
82
先に読んだラストレシピを書いた田中経一さんによるテレビ業界の陰謀、嫉妬渦巻くサスペンス。名ディレクターとして生の現場を知り尽くしているだけに、各人物の立場や背景がリアルで、つい実在のテレビ局を思い描いてしまう。プロデューサーの五味が手掛ける番組は警察が容疑者を逮捕する生の現場を中継、毎回高視聴率。その現場で毎回不審な事柄が起き、五味は窮地に追い込まれる。厳しい現状のテレビ局の買収話も。五味のなりふり構わない策とは…新人の板橋凛は共感持てていい感じだった。この本、まだ登録少ないみたいだけど面白かった。2017/11/21
papako
65
こちらのレビューで気になって。楽しめた!文章は小説というには淡々としていて味気なく感じたけれど、主人公の五味がいい味出してました。警察のガサ入れを生中継、それは視聴率取れそう。会社乗っ取りの専務の暗躍に、一時は絶体絶命かと思われたが、テレビ屋としての五味の意地と気合で一発逆転!痛快でした。そして『信頼を寄せ裏切りませんと、視聴者と勝手に契約を結んでいる』五味。これはテレビに限らずどんな職業にも通じることだなぁと思いました。いいな、紫陽花の葉の上のカタツムリ。なんか、スカっとしました!2018/03/28
つりほさ
15
[今年7冊目] 著者が料理の鉄人のプロデューサーだったからこそ書ける「テレビの裏側」など、いろいろと知る事が出来ました。映画にもなった「ラストレシピ」同様に、色々な謎を持たせながら、読ます力を持った良い作品でした。 凛による「紫陽花にカタツムリ」、とても良かったです☆2018/05/04
hirocchi
12
TV業界、なるほどなるほど。CM以外にも、あの手この手があるんですな!2018/04/27
yamakujira
6
いかがわしいタイトルは、逮捕の瞬間を中継するテレビ番組のことだった。在京キー局が3社に再編されてテレビの斜陽化が進む時代、テレビ屋を自認する五味が手がけた生放送番組がヒット、ところが五味と確執ある編成部長を陥れるネタが放送中に仕込まれていた。それは五味の意趣返しなのか、それとも番組を恨む第三者の仕業なのか。テレビ業界の裏側を覗く物語は興味深いし、次第にエスカレートするサスペンスフルな展開もおもしろい。たしかに今や、テレビなんてなくても困らないよね。現実の放送局は危機感持ってるのかなぁ。 (★★★☆☆)2021/03/22