内容説明
フリーライターの堤慎平は、取材で知り合ったユアサ投資顧問社長の湯浅晃一郎に見込まれ、強く入社を勧められる。当初は一千万円、働き次第で五千万円という年収に魅せられ、慎平は入社を決意するが、湯浅の年金基金の運用実態に疑念を持つ慎平の恋人で新聞記者の国本美保は猛反対。やがて本格的に取材を始めた美保は驚くべき真相を突き止める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Walhalla
23
年金の運用を主とした投資顧問会社にまつわるお話でした。年金の運営に関しては、消失であったり、官僚の天下りであったりと、管轄する省庁に対してずいぶん手厳しい発言が含まれています。実際、この作品にはモデルとなった年金消失事件があるようで、なぜこんな出来事が起きてしまうのか甚だ疑問ですが、そのあたりの事情など、物語中には皮肉にも似たセリフが飛び出します。ストーリーにはサスペンス要素もあって、いろいろ楽しめる内容にもなっています。以前に読んだ幸田真音さんの「代行返上」に通じる部分もあり、改めて勉強になりました。2023/11/29
terukravitz
4
図書館本★★☆☆☆2019/10/15
詩界 -うたか-
2
#読了 #江上剛◆いつか戻れる?お父さんと、お母さんと住んだこの洋館に——/フリーライターとして活動する慎平が取材をするとその社長が入社しないかと話を持ちかけられる。金融には詳しくないと言っても是非、と。さらにはご飯も一緒にと連れられて……すっかり虜になってしまった慎平に怪しいからやめたほうが良いと彼女の美保に反対されるが一千万の魅力に入社してしまう。湯浅の目的は一体何なのか。他の会社と違って好調過ぎるからくりは、そして、本当の真実は……◆感想はコメントへ。2020/02/16
Nishi Masako
2
時代に合った設定。私達も、いつのまにか取り込まれてるかも…2018/02/21
ポケット
2
ユアサ投資顧問はなぜ利益を出せるのか、最後までわからず、そして何のために金を集めたのか、復讐の為か、そして湯浅という人物は。長編だった割には 同じ場所に居続けた感がある やっぱりすべては復讐の為なのかな2018/02/04