内容説明
「自分らしく生きなければ」「健康でなければ」「老いてなお盛んでなければ」―現代人がいかに誤った思い込みで自分を苦しめているかを、ブッダの言葉をひもときながら説き明かす。自分が“いま、ここ”にいること、自分が“いま、ここ”でしていることだけに集中し、清々しく満ち足りた幸せを手にするための、心の持ち方、暮らし方。
目次
第1章 “生命力”に執着しない(「やがて死ぬ」と意識すれば、食欲の支配から脱け出せる;「もう何も欲しくない」という思いこそが、最高の幸福;人生は出生の瞬間から苦しみに貫かれている ほか)
第2章 “老”“病”を嘆かない(「この一瞬にも寿命は尽きている」と意識すると、心が冴える;「老いてこそ人生は豊かになる」は、単なる気休めの甘言;若く見えることを良しとする価値観が、老いを惨めなものにする ほか)
第3章 “死”への恐れを超越する(人間に生まれたのだから自己修養しないのはもったいない;人生は生まれた瞬間から死ぬときまで、思い通りにならないもの;いかなる「考え」も、必ず変わる、空虚なものでしかない ほか)
著者等紹介
小池龍之介[コイケリュウノスケ]
1978年生まれ。月読寺(神奈川県鎌倉市)住職。東京大学教養学部卒。住職としての仕事と自身の修行のかたわら、一般向け坐禅指導も行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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テツ
29
諸行無常。世界は常に流転する。自分の手の中にある何かに固執することなく、自分の手の中にない何かに焦がれ執着することもない。ただ在ることを受け入れ、世界は常に変化し続けているのだから自分の手で何かを掴み離さずいる状態など本来不自然であると知ること。裸で何一つ持たずに生まれてきたのだから、死ぬときも何一つ持たずに想いを残さずにサッパリと消え去りたい。良い本でした。2018/04/05
Hammer.w
12
「何者かになろうとするから、苦しむ。」小さな幸福も、諸行無常ですしね。2018/01/08
ももすけ
11
仏教は宗教というより哲学的だとは思ってたけど、唯物論もびっくり、科学だ。死んだら骨は海に撒いてくれだとか、うん、確かに自分の意思はその時にはない...最近、コロナなんかで気持ちが疲れてたので、ちょっとスッキリ(笑)2020/03/05
文章で飯を食う
8
何度、読み返しても心が静まる。普段は波立ってるってことだな。2018/10/13
文章で飯を食う
7
単行本で読んだ本を文庫にて再読。文庫版の後書きだけで儲けもの。2018/04/23