内容説明
博打の罪で遠島となった丹次は八丈島で平穏に暮らしていた。だがある日、新たに来た旧知の男が衝撃の話をもたらす。実家の乾物問屋が兄嫁に潰されて親は首を吊り、兄・佐市郎は行方知れずだという。優しい兄の窮状を知った丹次は焦燥にかられ、島抜けして遙か彼方の江戸を目指そうとするが…。時代劇の人気脚本家が贈る骨太の新シリーズ始動!
著者等紹介
金子成人[カネコナリト]
1949年長崎県生まれ。会社勤めのかたわら倉本聰に師事し、72年「おはよう」で脚本家デビュー。97年、第十六回向田邦子賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
76
追われも「破獄」1巻。博打の罪で島送りになった丹次、江戸の実家の乾物屋が潰れ、兄が行方不明になったをしり、島抜けをし江戸に舞い戻る・・・テンポが速く面白い次巻が楽しみです。 2022/11/24
やま
67
八丈島に島流しになった丹次が、実家の没落を知り、島抜けして兄を探す物語です。丹次は、日本橋室町にある乾物問屋「武蔵屋」の次男として生まれたが。21才のおりに勘当されて浅草、橋場辺りを縄張りにする博徒の貸元、欣兵衛の子分になっていた。その賭場が奉行所役人に踏み込まれて丹次たちが捕縛され、八丈島に島流しされて2年後、文政3年(1820)、実家の「武蔵屋」が潰れたと聞き、筏を作って島抜けをする。→2022/12/14
海猫
60
本が短めで文章がアッサリと読みやすい。が、人物像もアッサリ、展開や描写もアッサリ、お話そのものがアッサリとなるとちょっと困る。これでは作品の読みどころや魅力に欠けると言わざるを得ない。もうちょっとサスペンスフルなものを期待してたんだがなー。だっていくらでも要素が盛れそうな内容じゃん、これ。特に脱獄ものと復讐劇とか、もっと面白くなりそうだし。これで1年5ヶ月も続編が出ていないという事実もなんだかなあ、という感じ。来月にようやく続編が出るようだけれど、この引きの無さではちょっと…。2018/11/12
山内正
4
丹次はハ丈島を筏で漕ぎ出した 島伝いで伊豆まで逃げたいと 浅草の賭場で奉行所の手入れで貸元 と二人島送りになり、何かおかしい と言って島で死んだ。 一番子分の孫六の差金かもと思う。 伊豆に着いたあと金を稼ぎ江戸に出た、弟分の庄太を訪ね兄と番頭粂吉 に会い店の潰した経緯を聞く、 元女中のお杉にも会い他の人のその後を聞くが定かで無いままと 途方に暮れる丹次! 2018/12/27
トラジ
4
ハードボイルド時代小説。商家を勘当され、博打で島流しになった丹次。島で実家の没落を知り島抜けする。筏で難破しながらも陸地にたどり着く描写は迫力満点。単純なストーリーを今後どのように広げていくのか期待。2017/06/13