出版社内容情報
※新シリーズ こころの文庫
内容説明
「いつ死んでもいい」なんて嘘。生きているかぎり、人間は未完成。大英博物館やメトロポリタン美術館に作品が収蔵され、一〇〇歳を超えた今なお第一線で活躍を続ける現代美術家・篠田桃紅。「百歳はこの世の治外法権」「どうしたら死は怖くなくなるのか」など、人生を独特の視点で解く。生きるのが楽になるヒントが詰まったエッセイ。新シリーズ!こころの文庫。
目次
第1章 一〇三歳になってわかったこと(私には死生観がありません;百歳はこの世の治外法権 ほか)
第2章 何歳からでも始められる(なんでも言っておく、伝えておく;頼らずに、自分の目で見る ほか)
第3章 自分の心のままに生きる(自由を求めて、今の私がいる;自分が一切である ほか)
第4章 昔も今も生かされている(よき友は、自分のなかで生きている;物は思い出の水先人 ほか)
著者等紹介
篠田桃紅[シノダトウコウ]
美術家。1913(大正2)年生まれ。墨を用いた抽象表現主義者として世界的に広く知られており、数えで一〇五歳となった今も第一線で制作している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bianca
38
先日、桃紅さんの作品展にて購入。2回ほど繰り返し読み、また好きな部分もちょこちょこ開いては読むくらい気に入ってしまった。現在は105歳でいらっしゃいますが、100歳を超えての高みから発せられる言葉は、いくつもの時代を乗り越え堆積された経験と感覚に溢れ、何よりも説得力がある。東洋の人の考え方では、一人で自由に生きることは、なかなか困難なことだと思う。単身NYに渡り、本当の孤独を経験し、初めて居心地の良さを感じたという桃紅さんの生き方、とても好きです。心にすっと染み込む言葉選びも素晴らしい。2018/06/09
Akihiro Nishio
26
積読本を消化。多分学生から貰った本だと思うが、このタイトルの本を若い人がくれるかな?著者は百歳を超える美術家、独身。生きるために書道の先生となり、そこから芸術家、40歳で渡米という経歴にも驚いた。自分も独身なので、今後どうするか考えることも多いが(特にコロナ後)、本書を読んで、まあ好きに生きている方が良さそうという思った。自由であるということが一番幸せに近いなと。年を取って一人暮らしをしていると、いろんな人が心配して物を送ってくれるという話にはウケた。確かに、それはありそうw 2020/04/26
ロビン
21
今年の3月に107歳で亡くなった美術家・篠田桃紅さんが103歳の時に書かれたエッセイ。一世紀以上を生きておられるだけあり、三好達治と骨董屋を回った話、帝国ホテルで芥川龍之介を見かけた話などまさに貴重な歴史の証言のようなお話もあれば、裕福であっても子どもや才能に恵まれても「完璧な幸福」を持った人というのは見たことがない、幸福は「自分はこのくらいがよい」という自分の心の満足によるのだ、というお話、美術鑑賞のお話、前人の少ない一世紀越えの「老い」の世界の話など、じんわりした滋味あふれるお話が淡々と綴られている。2021/10/25
いぼいのしし
15
同じ言葉でも、100歳を過ぎた人が言うと重みを感じる。どんな考えでも信念を持っているのは凄い。女学生時代の先生方が先進的で、少なからず影響を受けたんだろうと思う。2019/05/06
sweet november
13
人生の大先輩の言葉は、説得力がある。自分の思うように生きてきたという風に書いてあるが、あの当時の女性の生き方としては前例のない事だと思うから、天晴れとしか言いようがない。2019/06/26