内容説明
活気溢れるお夏の居酒屋の片隅で、静かに油揚げを食べるその男は、過去のしくじりに縛られていた。そんな男の日常にも、変化の風は吹く。恋心というには淡すぎる、ある女への慕情。だが、その女もまた運命に翻弄されながら生きてきたのだった。傷つきながらも健気に生きてきた二人は、お夏のさりげない尽力で結ばれるのか?心洗われる第六弾。
著者等紹介
岡本さとる[オカモトサトル]
1961年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社90周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に「浪華騒擾記」が入選。その後フリーとなり、「水戸黄門」「必殺仕事人」などのテレビ時代劇の脚本を手がけ、現在も数多くの舞台作品において脚本家、演出家として活躍する。2010年、『取次屋栄三』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
148
わぁ、今回も良い!一話目の『梅干し婆ァ』二話目の表題作は特に好きだ。三話目も人情が沁みて、最終話『しらすおろし』はバッサリと【魂風一家】の勧善懲悪路線に繋がる巧みさだ。しかも十分に切なくて、私の心を衝いてくるのだ。くぅ、ドンドンこのシリーズを追いかけるスピードが加速しちゃう。2022/08/31
とし
114
居酒屋お夏「きつねの嫁」6巻。今回も痛快でしたね、過去を知られること無く、表に出ること無くきっちりと落とし前をつけるお夏さん良いですね、清次さん、龍五郎さんも良い男ですね、今回は、ほろりとさせられました。2017/04/19
やま
109
居酒屋お夏シリーズの6作目 2017.01発行。 文字の大きさは…中。 梅干し婆ァ、きつねの嫁、干柿、しらすおろしの短編4話。 2話目のきつねの嫁は、元纏持ちの三次が好物の油揚げが、きっかけで人生が変わる。 三次は、火消しとしては花形の纏持であったが、火事場で纏を持ったまま屋根から落ち纏を折ってしまう。言い訳もせず火消しを止め、その後は、ケンカが絶えず身を持ち崩していたが。毎朝、好物の油揚げを女ながら、棒手振りをするおこんから買っていた。そのおり三次は、おこんと二言三言言葉を交わしいた。⇒追記が有ります2019/12/29
papako
71
夏休み実家帰省中、風邪っぴきなのに、母親と愛犬、3歳の甥っ子の相手と家事、大掃除でへとへとになり、しばらく本を読めなかった!軽く読めて楽しめそうとこちらを。『梅干し婆ァ』龍五郎、かっこいいぜ。『きつねの嫁』油揚げの焼いたの食べたくなった。『干柿』お夏さんが旅に出て、痛快道中!『しらすおろし』うーん、千住の市蔵に繋がりそう?さてさてやっぱり読みやすくて痛快だわ。あーーー、疲れた夏休みだ。。。2019/08/18
アッシュ姉
47
一年半ほど間があいてしまったが、ようやく入手できた第六弾。主要人物が少なめなので、記憶力が悪い私にはありがたいシリーズ。いつ行っても居心地のいい居酒屋だ。口は悪いが根は優しく、人助けのために暗躍するお夏が格好いい。第七弾も手元にあるので続きが楽しみ。2025/05/23