内容説明
警視庁強行犯係・樋口顕のもとに殺人事件の一報が入る。被害者は、キャバクラ嬢の南田麻里。彼女は、警察にストーカー被害の相談をしていた。ストーカーによる犯行だとしたら、警察の責任は免れない。被疑者の身柄確保に奔走する中、樋口の娘・照美にある事件の疑惑が…。警察組織と家庭の間で揺れ動く刑事の奮闘をリアルに描く、傑作警察小説。
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。レコード会社勤務を経て、執筆に専念。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を受賞。08年、『果断隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞をダブル受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
134
強行犯係シリーズの最新刊の「回帰」をさかのぼっての作品です。キャバクラが殺されてその女性をストーカーしていた男性が容疑者として逮捕されます。この事件は殺された女性が意外と・・・・、という観点で決着を見ますがこの刑事の家庭状況がよく描かれています。奥さんやその娘をかなり気にしている様子がうかがえます。刑事ものとしては珍しい感じです。2019/09/05
修一朗
119
樋口顕シリーズ第4弾の「廉恥」は前回から14年経っているけども,お話では照美さんは大学3年生なので2年後の設定だ。この間で樋口係長が変わったかというと,人の眼を気にする組織人で融和主義という性格はそのままだ。地味な展開も氏家さんとの関係も。奇を衒わない地道な捜査が持ち味のこのシリーズだけども今回の初動捜査はちょっとねぇ‥ストーカ―の影を気にしてアリバイ確認を怠るとはあり得ないミスだ。地味なスタイルは続きます。次は「回帰/ビート」のどっちか。どちらもドラマを先に観てしまったのでねぇ。 2020/05/10
ゴンゾウ@新潮部
112
シリーズ4作。キャバクラ嬢の殺人事件が発生し当初はストーカーが被疑者として浮上する。女性キャリアの小泉の協力で全く別の犯人像が浮かび上がる。叩き上げの刑事と女性キャリアの間をうまく調整するあたりはさすが樋口。同時に起こる娘の事件では原則を曲げない融通が効かない一面も。樋口が竜崎に見えて来ました。 2020/02/15
KAZOO
90
今野さんの警視庁強行犯係シリーズの最新版の「焦眉」が今年出版されたのでシリーズの以前読んだ本を取り出して読み始めました。キャバクラの女性が殺害され、その女性がストーカーなどの被害にあい警察に相談されていたことがわかります。さらに主人公の娘が事件に巻き込まれそうになったりしますが最後は解決します。主人公は非常に気配りができる刑事でそれが緊張感をやわらげ読みやすさにつながります。2022/10/11
TakaUP48
69
シリーズから14年経って復活した「樋口」シリーズ。他の刑事小説と違うのは「自分は警察官には向いていないかもしれない」と、少し引き気味に職業を考えるところだ。自分も働いていたときは、この仕事に向いていないのでは?としばし考えたものだ。大学生になった娘の照美と家族してパソコンを買いに行くなど、警察&家族小説という何処かホッとする小説。今回は、小泉刑事指導官というキャリアが登場。ストーカーを受けていたという女の殺人事件を、小泉指導官とともに解決するという展開。粗筋は、ほぼ予想通り。樋口の真面目が光った!2022/11/19