内容説明
遠くに行きたい。そう思うときは心がカチコチに固まっている。南国の青い海や大自然に飛び込めれば何よりだけど、もっと気軽に、季節に合わせてお出かけすれば、気分はぐんと上昇。春の桜花賞から鹿児島の大声コンテスト、夏の夜の水族館、湿原カヌー体験、雪の秋田での紙風船上げまで。北から南、ゆるゆるから弾丸旅まで。元気が湧く旅エッセイ。
目次
春(桜花賞;かごしま大声コンテスト;肥薩線の旅)
夏(ブレックファスト;郡上八幡;秋芳洞;新江ノ島水族館一泊旅)
秋(山寺;奥入瀬ホテル;釧路湿原;牧野植物園)
冬(第九;秋田の紙風船上げ;きらきらうえつ)
著者等紹介
益田ミリ[マスダミリ]
1969年大阪府生まれ。イラストレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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柊文庫本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
528
ある時は桜花賞を見に仁川の阪神競馬場へ、またある時は「大声コンテスト」に参加すべく鹿児島へ。こんな風に思いつくままに日本の各地へ旅立つエッセイ。北は釧路湿原から南は鹿児島まで。概ね1,2泊の旅なのだが1人または編集者の猫山さん(仮名)との2人旅。なんともお気楽である。いいなあ。旅をする益田ミリさんの気分もユルユル。ちょっと気になるのは編集者を伴っての旅。「あとがき」によれば「自腹で」ということらしいのだが、旅行の手配が編集者まかせでは。そんなことをしていると鉄旅の宮脇俊三御大のようになってしまいますよ。2021/02/08
yoshida
195
益田ミリさんの旅行エッセイ。益田さんの作品は心に残る文や言葉が瞬き、読むと毎回発見がある。遠くに行きたい時は、心が凝り固まっている時。遠く海外へ何泊もしなくても、小さな旅で心をほぐすことができる。私達も益田さんの作品を読み、旅を追体験し、益田さんの言葉に触れて心をほぐすことができる作品です。季節毎の旅が収録。気になる旅は、郡上八幡の朝まで踊る盆踊り、秋芳洞、山寺、釧路湿原等。郡上八幡のオールナイトで踊る盆踊りは風情があり良い。益田さんの旅先での何気ない食事風景も印象深い。気持ちをほぐしてくれる作品です。2017/05/22
馨
174
一緒に旅した気持ちになれて良かったです!こういう旅をしてきたから益田さんは「週末、森で」みたいな作品が書けるのだなとわかりました。自然の中に身を置くのは頭の中を整理出来たり気持ちを落ち着かせるのに最適ですね。我を忘れて盆踊りしたり叫んだりも良さそうです。短い日数でも行ける旅を探してみたくなりました。2016/05/22
しんごろ
168
札幌在住の俺、コロナ禍以降、道内の温泉旅行には行くけど、道外の旅行はしてない。ミリさんの旅のエッセイ、いいじゃないか。桜花賞観戦、大声コンテスト、水族館、更にはなんと北海道まで、思い立ったが吉日という感じでバラエティに富んだ旅に出てるではないか。なんてフットワークの軽さのことよ。しかも、しっかり旅先で楽しんでる。お金がないのに遠くに旅に出たくなるではないか。今は無理でも、北海道を脱出した旅行がしたい。ミリさんと一緒に旅してる気分と元気をくれ、すぐにもどこかに行きたくなる楽しい旅エッセイだ。2024/12/17
ちゃちゃ
124
タイトルが素敵だ。日々の暮らしで凝り固まった身体を解きほぐすように、非日常に身を置いてゆるゆると心をほどいてゆく。私も若い頃は鞄にぎゅうぎゅう詰め込むように、旅にもスケジュールを詰め込んだ。でも今は行き先をひとつ決めて、後は宿と交通手段を押さえたら、それで十分。時間や予定に縛られない旅。それこそが贅沢な旅だと思うから。ミリさんの旅はユニークだ。例えば郡上八幡のオールナイト盆踊りを楽しむ旅だったり、水族館でクラゲナイトを体験する旅だったり。それは旅先で何かに触れ、生きている実感を取り戻す旅なのかもしれない。2022/06/13