内容説明
ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。だが、動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。この異様さは何なのか?それは本当に殺人だったのか?「僕」が真相に辿り着けないのは必然だった。なぜなら、この事件は実は―。話題騒然のベストセラー、遂に文庫化!
著者等紹介
中村文則[ナカムラフミノリ]
1977年愛知県生まれ。福島大学卒。2002年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。04年『遮光』で野間文芸新人賞、05年『土の中の子供』で芥川賞、10年『掏摸』で大江健三郎賞を受賞。作品は各国で翻訳され、14年に日本人で初めて米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
419
数年前に英訳で読み始めたものの挫折。今回、工くん💕が映画出演ということで、日本の心の友が航空便にて贈ってくれました。ありがとう、友よ!真犯人については、なんとなくそぅなんだろうなぁと思いながらも、やはり最後にはストンと落とされ。時間があれば、あとがきを見ながら再読して答え合わせも楽しめるでしょう。わたしはやりませんが。映画はDVDで拝見します。工くん💕(しつこい)2018/03/24
そる
348
気持ち悪い!登場人物ほぼ全員病んでる。人間には負の部分や病んでる部分はあるはずで共感できるところもあるけど、こうもみんなが全面に出してくると、引く。ストーリーが入り組んでて誰が語ってるのか分からず、誰が主人公かも不明。それがトリックなんだろうけどすっかり手中にハマり一気読みしてしまう。暗闇にいるみたいな不気味な話。「「(前略)⋯でもあの女性は、本当に特別だったんです。まさか自分がストーカーと呼ばれるようになるとは思わなかったほど。⋯まあ、潜在的に、そういう傾向が元々僕にあったのだと思いますが⋯。しかも」」2019/09/23
どんふぁん
327
2018年1月6日読了。こんなに意味不のミステリーもあまりないとは思うのですが・・・。ただ、ちょっとホラーっぽくさせて(それも中途半端に)エッチな要素をいれて(必要なのかわからない)やたら女性を蔑む(あまり賢い女性はでてきませんでしたが)小説にしか思えませんでした。トリックは考えられてたとは思いました。これを三代目JSBの岩田剛典くんがすると聞き原作読んでみたのですが、映画は見に行かんとこうと思いました。2018/01/06
ゆのん
274
最初は違和感なく死刑囚の話しか、ぐらいで読み始めたが半分位で『あれ?』となり、ラストでは『そう、きましたか、、』。中村文則は2作目だが、重く、暗いイメージは払拭できず、、、でも、この作品は嫌いじゃない。2017/12/30
neputa
196
ちょうど映画化され話題にもなっているので、積読消化も兼ねて読んでみたが、残念ながら消化不良という結果に。著者の一人称「僕」による濃厚な文学作品に何度も魅せられてきたが、ミステリ要素が大きくなるにつれ「僕」の存在が埋没し、作品としての魅力も減退しているように感じるのは私だけだろうか。人が根源的に求める欲望を形にしてしまう人形師、そこに集ってしまう者たちなど、これまで著者が文学として昇華させてきた要素が、本作では伏線の穴を埋めるアリバイ程度にとどまっている。2018/03/30