内容説明
育児も家事も、小説執筆も社長業も忙しくて心がなくなりそうだった時。陶器のカップの美味しいコーヒーを車の中に持ち込み飲んでみたら、新しい風が吹いてきた―。人生は思い通りにならないけれど、一つ普段と違うことをしてみると、異なる景色が見えてくる。自分なりの人生をカスタマイズすることの歓びが見つかり、しなやかで丈夫な心が育つ。
目次
1(おもてなし;どくだみ;心のゆとり ほか)
2(私が子どもだったころ;いつまでも;私のQちゃん ほか)
3(あたりまえのこと;ばらの花;三十年の話 ほか)
あの日の海
著者等紹介
よしもとばなな[ヨシモトバナナ]
1964年東京都生まれ。「キッチン」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。『TUGUMI』で山本周五郎賞、『不倫と南米』でドゥマゴ文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
との
29
初ばななさん。これまで読まず嫌いで読んだことはなかったんだけど、彼女の文章の引用を見かけて。そういえばこの人のこと本当に何も知らなかったなー。何も知らずに嫌っていたんだな。◇ところどころ飛ばし読みしてしまったけれど。「そんなに力を入れなくてもいいんじゃない?少し力を抜きましょう。だけど、大切なことは忘れてはいけないよね」と言われているような気がしました。2017/04/16
織町
16
“あの夜、もう自分たちなんてどうでもいいから、君にいい名前をつけたいと思った。いい子でも悪い子でもなんでもいいから、生きて無事に育ってほしいと思った。もしも名前がそれに力を貸すなら、少しでも幸せで、大変なことをなるべく波に乗るようクリアして、まっすぐな人生になってほしい、ただそれだけを思った。”震災の話、家族の話、色々な話がつまってます。名付けは私も同じような気持ちだった。彼につける名が、少しでも彼の人生のお守りになるよう、力になってくれるよう、字画と意味を考えながら沢山沢山考えたなぁ。染み入るエッセイ。2018/05/02
湖都
15
2巻目は人についてのエッセイが多い気がする。著者本人が語るように、下町で育ったせいか人間関係が濃厚である。幼い頃からくっつきあってきた友達がいて、別れた後も人生に登場するボーイフレンドがいて、世界各地に友達がいて、旅行するにも家族だけでなく友人や秘書が一緒で、そのそれぞれに語りきれないエピソードがあるんだろうなぁと思わせる。勿論、永遠の別れも沢山経験していて、だからこそ一緒にいる時間の尊さを知っている文章が身に沁みる。それから、東日本大震災の記述も多い。地球の自浄力は強いと著者は言うが、実際どうだろう。2022/04/12
うずら
9
角館・盛岡の旅のお供に持って行く。新幹線でビール飲み呑み読んだ。ずいぶん前に書かれた本だが、著者は日本はこの先観光大国になるしかないと言う。うんうん本当に今現在そのとおりかも。「人の営みとして死を受け入れる」…がなんだか心に沁みて手帳に書き留めた。2025/03/06
図書館の丼
5
自分とちょっとずつずれていくのを確認し続ける作業だった。あんなに共感して、「この人は私の気持ちを代弁してくれている」とまで思ったことがあったのに、すっかり道は分かたれてしまったようだ。そりゃそうだ、人間は生きているのだものね。それでも面白かったんだよ。2021/05/13
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