内容説明
勤続三十七年、課長止まりだったY氏が定年退職の日を迎えた。だが彼を待っていたのは、社会からも家族からも必要とされていないという疎外感。暴力バーで七十五万円も請求され、娘は家を出たいと言い、息子は違法なアダルトビデオで儲けている。さらに、偶然出会った老人の屋敷で白骨体を見つけてしまい…。孤独な男の手に汗握るサスペンス。
著者等紹介
梁石日[ヤンソギル]
1936年、大阪生まれ。高校卒業後、さまざまな職を転々とした後、東京でタクシー運転手になり、10年間勤める。その間に書いた『タクシー狂躁曲』でデビュー、同作は「月はどっちに出ている」のタイトルで映画化された。実父をモデルに描いた長篇小説『血と骨』は山本周五郎賞を受賞しベストセラーに、映画化されたことでも話題になった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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