内容説明
トランポリン競技でオリンピック出場を目指す五人がいた。少年の頃から勝利と敗北を繰り返してきた彼らに安直な仲間意識はない。夢舞台に立てるのは二人だけ。その現実が彼らの青春を息苦しいものに変えていく。自分との戦い、ライバルへの嫉妬、周囲の期待…選ばれるのは一体誰だ!懸命に生きる者だけが味わう歓喜と孤独を描いた傑作長編。
著者等紹介
桂望実[カツラノゾミ]
東京都生まれ。会社員、フリーライターを経て、2003年、「死日記」でエクスナレッジ社「作家への道!」優秀賞を受賞しデビュー。05年、『県庁の星』が映画化され大ベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユザキ部長
89
アスリート達の半生。時間の流れ方が面白い。この本はトランポリンだけど、例えば身体の動かし方、跳躍の瞬間は一瞬でも競技に対する臨み方や動機付けは長い年月がかかるものだと思った。頼むから放っておいてもやがて皆ひとつの場所に帰って来る気がした。2017/03/18
優希
57
トランポリンをガジェットにした物語。オリンピックを目指す5人の悲喜交々が伝わってきます。少年から壮年まで勝利と敗北を繰り返す。夢舞台に向かい、懸命に努力することで味わう歓喜と孤独が印象に残りました。2021/04/22
thee birdmen
44
トランポリンというマイナー競技に関わる人たちを通して、人間の成長や心の動きを捉えていく本。読み終わって、じんわりと心に沁みていく暖かいものがあります。地道な努力をする人もノリと勢いで生きる人も、最短距離であれ遠回りであれ、人間は誰しもが悩み苦しみ努力して自分の居場所を見つけていくんですね。子どもには子どもの、大人には大人の、子どもから大人になっていく過程の、その時々に生じる心の変化の描き方がとても丁寧でいいです。章の切り返し方が映像的な手法なのに淡々としていて波がない文体も逆にいい感じでした。2019/07/01
hit4papa
37
トランポリン競技の選手、その家族、コーチらのそれぞれが描かれたスポーツ群像小説です。選手たちの少年時代から大人になるまで、活躍したり、挫折したり、引退したり、復帰したりがリレー形式でつながっていきます。クールな選手、おちゃらけた選手、プレッシャーに弱い選手等、登場人物らの個性がいきいきと描かれています。メジャーではないスポーツですが、繰り出す技や試合中のの駆け引き、選手、コーチらのの複雑な思い等、臨場感たっぷり。読み進めるとトランポリン競技の難しさが良く分かります。人生の再生の物語でもある最終話が秀逸。2018/07/24
はるき
36
タイトル読み(笑)マイナー、メジャーは面白さとは関係ないなぁ。馴染みのない競技の世界を覗き見できて楽しかったです。2017/03/03