内容説明
希望なき時代を射る、苦く強烈なメッセージ。
目次
婚活ブームとこの国の未来
海の向こうの戦争
テロという選択肢
基本的に下の世代には興味がない。
期待は甘えとほとんど同義語だ。
日本人すべてに与えられた試練
ダメ元で、レバ刺し!
「憂鬱」と「希望」
「差別」と「偏愛」
「満足」より「感動」
飢餓と食の汚染
若者は常に時代の犠牲者
『半島を出よ』と韓国映画
若者の病理と文学
有名と無名のメリット
プロテニスと国際化
「3・11」から1年
櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている。
著者等紹介
村上龍[ムラカミリュウ]
1952年長崎県生まれ。76年「限りなく透明に近いブルー」で第七五回芥川賞受賞。「コインロッカー・ベイビーズ」で野間文藝新人賞、「半島を出よ」では野間文藝賞、毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みやけん
15
★☆☆☆☆残念。あまりよく分からなかった。エッセイでなく小説の方が良かったのかな?学校で勉強だけでなく生き方について考えさせたら仕事にも役立つ。絆という言葉はなぜか好きにはなれないなぁ〜2015/12/18
たくのみ
12
村上龍さんのエッセイ集。政治批判をしなくなったマスコミ。でも、作り手は、大抵非常に良い人たちだ。「一緒に酒を飲んでいても楽しい。しかし危機感がない」、という。なにより「失敗を何より恐れるようになった」「変化に対応する余力がない」『カンブリア宮殿』の裏側もみえてくる。戦争を美化する流れに警鐘を鳴らす。「若者は常に時代の犠牲者」「小説というのは基本的にマイノリティーの代弁をするものだ」「被災地の問題を隠蔽する危険がある絆という言葉に違和感を覚える」という村上さん。小説もこんど読んでみよう。2016/09/02
もじぱん
6
若者向けの雑誌に寄港されていたというだけあり、読みやすいエッセイ集。はっとさせられたのは、20代の有名な文化人がいないとか、小説の主人公となるような若者が見当たらないといった点。確かに有名な若者はいても、「文化人」というカテゴリーには入らない人が多く、どことなく危機感を抱いた。文化人という人格(?)形成に時間も労力もかかるような(そしてなかなかお金にはなり辛い)人材に憧れる人が少なくなってしまっているのだろうが、そういう人達がいなくなった世の中は、厚みのないつまらないものになってしまいそうで恐ろしい。2014/11/03
寅ちゃん
5
心のなかが浄化された。村上龍はやはり嘘をつかない真の人だなと改めて思う。ここずっと社会の同調圧力や自分の感じる不快感や怒りが不当なもの、弱さゆえにくるものに感じてメンタルが閉じてしまっていた。どんな言葉も心の上を滑るばかり、小説への関心も遠のいてしまっていた。そんななかインザミソスープを書いた村上龍の言葉だけ読みたくて求めていた。読んでみてやはり間違いなかった。彼のエッセイは無駄な情報が一切なく、言葉は危機感とリアルさで満ちている。だから時に自分が見透かされていて彼から逃げたくなる。ここには書ききれない。2021/10/10
てつJapan
4
【良かった】震災の話かと思ったのですが、震災の前後に書かれた若者向けの雑誌に記載されたエッセー集です。その割には一切若者に対するエールがなく、「憐れんでいる」という記載があるくらいです。主張がはっきりしていて面白かったのですが、学生の時分に読んだら嫌になってペンディングにしたかも。2014/12/10