内容説明
男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。太っていて不細工で、明るい―キクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。ちゃんとした大人なんて一人もいない。それでもみんな生きている。港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、そっと勇気をくれる傑作。
著者等紹介
西加奈子[ニシカナコ]
1977年、テヘラン生まれ。カイロ、大阪で育つ。2004年『あおい』でデビュー。07年『通天閣』で第二四回織田作之助賞、13年『ふくわらい』で第一回河合隼雄物語賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
1221
タイトルはやはりあまり感心しない。「肉子」という言葉にはどうにも馴染めないのだ。さて、西加奈子の小説にはアタリ・ハズレがあるのだが、これはアタリ。語り手であるキクりんの肉子に対する批評意識が、肉子の造型を膨らませてゆくばかりか、小説そのものの推進力となっている。そして、その批評はキクりん自身にも及び、彼女の内省を促しもする。これによって小説はさらに深みを加えることになる。それになにより読んでいて文句なく面白い。ペーソスの味付けも充分にある。重松清の女性版という気がしなくもないのであるが。2020/05/23
鉄之助
1042
港にある「うおがし」という焼き肉屋が舞台。これだけで、面白いではないか! 毎日新鮮な魚ばっかり食べていると、「やぱっり肉が食べたいな」。わかる、わかる。その気持ち。肉子ちゃんは、決まって”糞野郎”にだまされる→ボロボロになる→夜の店で働く、の繰り返し。「人間関係の始め方も、下手くそ」だが、みんなに愛される。彼女の娘・キクりんとの掛け合いが、たまらなく心地よい快作だった。2025/06/11
抹茶モナカ
876
何より、サクサク読めるのが良い。漁港の焼肉屋に勤務する肉子ちゃんと、その娘キクりんを軸に、漁港の暮らしが描かれる。明るいデブの肉子ちゃんは勿論、キクりんの友達二宮やキクりん自身も変な癖を持っていて、そんなあれこれを認めてくれる物語なので、僕もちょっとした癖があったりするのだけど、「僕みたいのもアリなのかな。」と、自分を受け止められる感じがした。読んでいて、フィジカルにお腹の空く本だ。読みやすく、温かい本でいて、ちょっと切ない成り立ちの本。2016/02/12
しんごろ
779
個人的には関西のよしもとばななさんと言っても過言ではないくらい、優しさと温かさとほのぼのさが、満遍なく包みこまれました作品ですね。肉子ちゃんがいいキャラで、肉子ちゃんから、いっぱい元気をもらいました。キクりんのクレバーさもいいですし、サッサンの渋さもいいですね。マリアちゃんは人の優しさのわかる優しい大人に、二宮は大人になったら、きっと大物になるんじゃないのという勝手に想像をしちゃいました。登場人物もなかなかで、読みやすく伏線を拾ってくラストは秀逸!落ちこんだ時にまた再読したい素晴らしい作品でした。2017/08/30
ユー
575
親と子、どちらも「強い」ですね。猪突猛進な強さと繊細な強さ。意味合いは異なるかも知れませんが、「人を思う」気持ちは同じです。2人の出会いが描かれている箇所は、泣けて来ました。2021/01/26
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