内容説明
「頭がいい奴は金を持って生き延びる」が口癖で、詐欺紛いの金集めに執心していた祖母。その才覚を譲り受け、薬やブランド品を転売し、看護師の傍ら小銭稼ぎを続けてきた霧子は、40年ぶりに元同級生に再会する。夫のモラハラに苦しむ彼女に、霧子はそっと囁いた。ろくでなしの男なんて、死ねばいいと思わない?底なしの欲望が炸裂、震慄ミステリ。
著者等紹介
松村比呂美[マツムラヒロミ]
1956年福岡県生まれ。オール讀物推理小説新人賞最終候補二作を含む『女たちの殺意』で2005年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えりこんぐ
60
梢の父や志保の夫など、クズ男に支配される女たち。霧子は危ない橋を渡りまくりだけど、これだけ努力もしてて行動力があるのは彼女だけだし、もうどこまででもがんばって! と応援すらしたくなる。2017/07/26
はれひめ
32
北九州4人組ナース保険金殺人をモチーフにしているかと思いきや、霧子はその上を行ってました。シャンパンしか飲まなキリコ。出てくるブランドの半分は知らないけれど、米倉涼子バリの美貌とスタイルのキリコならきっとお似合いなのでしょう。同僚ナース梢や同級生志保と志保の夫のキャラはキリコの引き立て役にぴったり。アンソロジー「捨てる」に続けて秀作を見つけました。松村比呂美さん巧い!2016/06/12
のりすけ
25
この作家さんの作品の中では、かなり好きな部類。霧子の行動力やら頭の良さもさることながら、餌食になる女たちのダメっぷりったら…。最後の最後でちょっと牙を剥くものの、うまくあしらわれちゃうし。私もお金持ちになりたいのー!だから神様、宝くじ当てて。霧子みたいなリスクの高い方法は取りたくないし、出来る自信もないからさ。2017/07/04
アコ
21
アミの会(仮)によるアンソロジーで知り2作とも気に入って読みたかった松村さんをようやく。ふたつの区立図書館にも書店にもなく古書店でようやく手にした嬉しさ、やはり好みであるさらりとした筆致で一気読み。タイトル通り、お金持ちになりたい看護師キリコがやってしまうあれこれ。そこに再会した同級生と後輩看護師が加わっての三者目線で交互に語られるのも面白い。そして怖い。こういう計画って実際にありそうだし、最後どうなるかとドキドキしながら読了。映像でも観たいなあ。しかしキリコの年齢設定はなぜかピンと来ず。うーん。2016/08/18
じぇりい
20
これこれ!こんな松村さんが読みたかった。イヤミスなんだけど、後味の悪さより、キリコさんの頭の良さ運の強さに感心してしまうほど。悪事がバレて身の破滅になるどころかきっとこれからもピンチをチャンスに変えてどんどんのし上がって行くキリコさんが目に浮かぶようだ。2018/07/22
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