内容説明
一八八〇年、北海道の未開の地。元幕府軍の“ひと斬り十兵衛”は家族を成し暮らしていた。ある日、彼のもとを旧友が訪れ女郎の敵討ちに誘う。亡き妻と結んだ「もう誰も殺さない」という誓い、生きるため他に術のない自らへの葛藤―。苦悩のなか十兵衛は、貧しく暮らす子のため再び刀を抜く決意をし、争いの渦へ飲まれていく。大迫力傑作長編。
著者等紹介
司城志朗[ツカサキシロウ]
1950年愛知県生まれ。名古屋大学文学部卒業。放送作家などを経て小説家となる。83年、矢作俊彦との共著『暗闇にノーサイド』で角川小説賞を受賞するなど受賞歴多数。近年は映画のノベライズも手掛けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やっち@カープ女子
33
クリントイーストウッドの名作が日本映画となって再生。文庫カバーの渡辺謙がしぶくて買ってしまった。アイヌの生活、追いやられていく様、十兵衛の生きる為の苦悩も良く分かりストーリーはなかなかのもの。クライマックスは渡辺謙の映像が浮かんで来るよう。この小説は映画が絶対観たくなる‼︎2013/11/24
yu
25
映画あってのノベライズのようで。 とりあえず、映画にはこれっぽっちも惹かれない。 幕末~明治初期の元侍であり、旧幕府側の人間のその後が悲惨なのはわかったけれど、大石みたいな究極のサディストは大っ嫌いだなぁ。2013/08/02
Tadashi Tanohata
21
「五稜郭」「屯田兵」「アイヌ民族」と続くと、日本を代表する「開拓史」だ。「ひと斬り十兵衛」を中心に、誰が一番強いのか的な内容だが、結局は「アイヌの人々」なのか「子供達」なのか・・・ここまでにしておきます。シナリオ色が少し濃いめかな、とも。 2016/05/05
donboo
20
愛する者のために刀を捨てた人斬り十兵衛。人はもう斬らないと誓う。妻亡きあと幼い子供達と貧しく暮らす。そんな彼が再び刀を手するとき父から人斬りへと非情な運命を背負った十兵衛にしびれます。過去は消せないのか……渡辺謙さん演じる十兵衛の背中はゾクッとしますね。2017/04/29
小雀✡ずーっと積読減強化月……
14
凄まじかった。 息を止めて一気読みの十兵衛殴り込み! 映画も小説も最後のシーンは切なかった…。 幕府軍の生き残り、人斬り十兵衛の錆びた首打ち刀を砥いだのが会津の刀匠ってのも皮肉だな。 ハリウッド版は観てませんが、日本版は少し前に偶然観たので、物語の脳内再生は十兵衛・渡辺謙、大石・佐藤浩市、金吾・柄本明でした。映画、また観よう!2017/07/28