内容説明
ポルノまがいの小説『身代わり』を書いてトラブルを抱える成績優秀の美人女子高生が自宅で殺された。しかも現場には、一人の警察官の遺体が。一方、五日前の深夜、大学生が公園で女性を包丁で脅し暴行をしかけたが反撃され自分の腹部を刺して死亡。無関係に見えた二つの事件が高瀬千帆と匠千暁の名推理で交錯するとき、複雑な悪意の糸が解け出す。
著者等紹介
西澤保彦[ニシザワヤスヒコ]
1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒。高知大学助手を経て95年、トリックの限りを尽くした本格ミステリ『解体諸因』で衝撃デビュー。以後、SF的設定と本格推理を融合した独自の小説世界で話題作を続続と発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
388
前作から間が空いたせいか、パッと読んで熱量の違いを感じてしまい、これはマズイやつかと思ったが、むしろシリーズの中でも好きな部類に入る一冊だった。謎の提示の仕方と心理ミステリ部分のバランスが良い。『スコッチゲーム』などは心理面に比重をおきすぎて、あらすじにあったミステリ部分がすべて披露されたのが物語のかなり後半。そういう構成のアンバランスさをこのシリーズでは感じる事が多かったが、コレは上手くまとまっている。前作で感じたタックとタカチの関係の危うさも、途中までは感じたけど、終盤で何事もなかったようにリセット笑2017/12/07
ダイ@2019.11.2~一時休止
110
匠千暁その9。時系列的には依存の後でボアン先輩がメインに動く。前にどれかのあとがきで10冊を予定しているみたいにあったような気がするけど新刊はでるの?2015/09/25
buchipanda3
91
タック&タカチシリーズ長編。前作の内容が強烈だったので、そのどんよりとした余韻が戻ってくるのを感じながら読んだ。そんな時はやっぱボンちゃんだよなあと。彼のセリフを読むとホッとする。このシリーズの真の主役はボンちゃんだよ。うん、ほんとに。タックの最後の推理が炸裂するまでは…。一見、無関係に思える二つの不可解事件。犯行の状況が分かるにつれてますます謎が深まるが、ボンちゃんの恋慕パワーもあって意外な事件の構図が浮かび上がる。異様な"身代わり"を切っ掛けがこんな事態を生むとは。4人の活躍を描いた新作を待つ。2019/10/25
hnzwd
66
タック&タカチシリーズ。読みそこなってた旧作を穴埋め。時系列で前作になる『依存』からのタックの復活。タカチとの仲が一段深いものになった時期の話でした。事件の動機に共感できないのは相変わらず。犯人の心情が一切描かれない点が、人間の闇を覗かせられているようで余計に嫌な気持ちに。トリックはきっちり驚かされるものでしたが、、心情的にたどり着けない真実という感じでした。シリーズが時系列に沿っていないので、違和感無く読むことができました。2017/02/16
papako
52
タック&タカチシリーズ最新長編。だけど6年前。『依存』後のタックの再生のきっかけの物語。二つの殺人事件が交差して、タック&タカチがボアン先輩とウサコと再会する。事件は、男の身勝手と女の恐い嫉妬が元で、さまざまな『身代わり』ができあがり、無責任な想像が真相にたどり着く。ただ、エピローグがないので事件の結末はわからない。タック&タカチはおいてけぼりで、どちらかというとボアン先輩と刑事さんたちが活躍。解説にあるように安槻シリーズって言った方がいい感じ。2015/09/05
-
- 和書
- 酒文化研究 4