内容説明
現代の社会情勢は恋愛とセックスを語るには向いていない。経済的疲弊に比例して公共事業が激減し、シャッター通りが増え、夫のリストラで主婦が売春するケースもあるという。我々は死なずに生きのびるだけで精一杯である。だがこのまま自信と誇りと精神の安定を失ったままでいいのだろうか?再起を図り、明日を逞しく乗り切るヒントに満ちた一冊。
目次
韓国ドラマ『砂時計』とイジョンジェ
パキスタンとタリバン
セミのシャワーと朝青龍
社会的信頼と安倍晋三
官能と広東料理
ミシュランの星とサルコジ大統領
置き去りにされる人とショットガン
ねじれ国会と医療危機
イージス艦とNYフィル平壌公演
日本のゆっくりした衰退と大手既成メディア〔ほか〕
著者等紹介
村上龍[ムラカミリュウ]
1952年長崎県生まれ。76年「限りなく透明に近いブルー」で第七五回芥川賞を受賞。「コインロッカー・ベイビーズ」で野間文藝新人賞。「半島を出よ」では野間文藝賞、毎日出版文化賞を受賞。『トパーズ』『KYOKO』で映画監督も務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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団塊シニア
21
これまでのエッセイ同様日本政府と大手既成メデイアに対する批判を含んだ社会問題が中心であるが、筆者の問題提起は価値があると思うけれど実態は変わらない…。2013/03/18
冬木楼 fuyukirou
13
「この連載は(略)最初は男と女の恋愛やセックスについて書いていた。(略)やがて、大手マスメディアの批判を含んだ社会問題が中心となり現在に至っている」 2007年6月~2009年5月のエッセイ。時代が近付いている。社会問題を社会問題としてちゃんと問題提起すべき立場の人達、たとえば議員とかマスコミとかが当たり障りのないことしか言わないから、村上龍のエッセイが問題提起の形になってしまうのかな。とはいえ、自分もこのエッセイで社会問題を知るところもあり、勉強させてもらっている。2016/06/12
KASAO
8
2007年6月~2009年3月にかけて描かれたエッセイ。医療の問題や秋葉原の通り魔事件、北朝鮮のミサイル問題など(北朝鮮は今もか)が取り上げられている。このシリーズは当初、男女の恋愛やセックスについて取り上げ、話題はF1などの欧州のスポーツ観戦や映画製作、キューバに移り、大手マスメディアへの批判を含んだ社会問題が中心になった。このVol.10の時点ではだったけど、今日読んできた最新のエッセイではそれすらも変わってきていた。結局のところ言いたいのは、日本の政治やマスメディアは相変わらず。2016/10/05
まさや
5
すべての男は消耗品である、だから自由だ。2012/09/02
ずっと俺のターン
4
すべての男は消耗品である、だから自由だ。2012/09/02