幻冬舎文庫
向日葵の迷路

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  • サイズ 文庫判/ページ数 307p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784344418363
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

六歳の時に逝った母の墓前で、婚約の報告をした春香は、葬儀の後、向日葵畑で出会った不思議な女性のことを思い出す。「大丈夫。まっすぐに行くといいわ」。迷子の春香を優しく導いてくれたのは、誰だったのか―。春香はあの向日葵畑を探そうとする(「向日葵の迷路」)。迷った心、孤独な魂を優しく包んでくれる、ミステリアスで温かい五編の物語。

著者等紹介

浅倉卓弥[アサクラタクヤ]
1966年北海道生まれ。東京大学文学部卒業。2002年「四日間の奇蹟」で第一回「このミステリーがすごい!」大賞・金賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かつおさん

23
各話とも親と子に纏わる物語。本のタイトルになっている第一話は、幼い春香が母の葬儀の日に迷い込んだ向日葵畑で大人になった自分と遭遇する話。後からジワっときた。浅倉作品らしく霊とか不思議な現象が登場する話もあったけどそんな要素もこれといった事件も無い三話、五話が良かったなぁ。三話目のシングルマザーの母との確執が孫との里帰りで溶け娘が思い至った母への労りの思い。第五話の妻と母を喪った小説家の男が妻の連れ子の娘の幸せを願う思い、血の繋がらない父との暮らしの中で成長する思春期の娘の可愛いさ逞しさ。2021/09/23

baboocon

18
6年ぶりに読んだ浅倉卓弥さんの作品。以前読んだ作品と同様、光の描写が印象的な濃密な文体。一人称で語られ何が起こるのかわからない不安感と、時間の感覚や生死の境が曖昧な空気が漂う短編集。不条理にやりきれない読後感がある「夕立のあと」が印象は最も強烈だけど、表題作「向日葵の迷路」や「ビザール・ラヴ・トライアングル」もいい。最近の浅倉作品も読んでみたくなった。2012/08/29

ちばと~る

16
浅倉卓弥さんのじんわりホラーな家族愛系短編集。表題作の『向日葵の迷路』は乙一『CallingYou』のリョウと原田みたいなオチの母娘愛?2作目の『ヨーグルトをください』は都市伝説系ホラーだけど温かい母娘愛にほっこり素晴らしい!!『ビザールLOVEトライアングル』は血は繋がらなくとも親子の絆ってイイ~けど切ないね~。じんわりほっこりイイ気分になれてオススメです~2012/07/20

たぬきち

11
浅倉さん、1冊目。どこかで読んだことのあるような設定だし、どのお話にも何か大きな衝撃があるわけではないけれど、一つ一つの中にある空気を味わいたくなってしまう。解説にも書かれているけれど、全話に共通して流れているのは家族愛。けれどそれが全面に出されて押し付けられているように感じない。実際に自分たちの生活の中でもそんなものじゃないのかな。だから居心地が悪くならない。読み応えを求めるときには向かないとは思いますが…。私的には短編よりも長編の方が浅倉さんは好きなのかも。2021/03/30

りちゃ

8
短編集。最初の3編は、世にも不思議な…のようなちょっと不思議な話。で、結末はすべて読める。後半の2編、母娘の関係には、とても共感した。ちょと複雑な父娘の関係には、切なさを感じた。当たりまえだが、誰にでも死は訪れる。2015/09/23

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