内容説明
冤罪で流刑地・八丈島に島送りになり、たび重なる艱難の中、決して希望と友情を失わなかった男二人の大いなる脱獄の痛快譚「島破り」、凶暴野蛮な海賊の村で拾われた美少女と無骨な若者の切なさ極まる「寄物」、明治維新直前、瓦版屋を目指した少年二人の残酷な別れ「生贄」他、ほんの小さな幸せを望んだ名もなき人々の哀切を謳い上げた傑作集。
著者等紹介
石月正広[イシズキマサヒロ]
1950年東京都生まれ。95年『写楽二百年の振り子』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てんてん
1
救いようのない世界観がお好きな方はどうぞ。2016/06/17
tsubaki
0
4編の短編集。暗い、酷い、救いがない。読んでる間、ずっと眉間にシワが寄ってた。 「島破り」八丈島に島流しにされた2人の侍。この島の掟に縛られた暮らしと、住人同士の酷い仕打ち。倫理観とかもうグチャグチャになってるコミュニティの恐ろしさ。最後はほんの少し希望が見えた。 「寄り物」ある島では難破船から流れ着いた品と女は「寄り物」として島の財産になる。男は殺される。僅かな漁の恵み以外に食べる術がないから、島民は船を襲う。ここは海賊の島だ。この島に住む男と寄り物の娘の純愛。 2019/01/12