内容説明
二十一世紀の未来を夢見て、三十年前から眠り続けていた父親。目覚めると、息子は父と同じ三十歳になっていた。息子から聞いた未来に父は…(「アトム」)。ホテルには絶対存在しない13階の13号室。宿泊客があの手この手でホテルマンを引き止める(「1313」)。新たな「笑い」の世界を次々と構築し、進化し続けるコンビ「ラーメンズ」第三戯曲集。
著者等紹介
小林賢太郎[コバヤシケンタロウ]
1973年神奈川県生まれ。多摩美術大学卒業。コントグループ「ラーメンズ」やK.K.P.(小林賢太郎プロデュース公演)、ソロパフォーマンス「POTSUNEN」の作・演出を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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吉野ヶ里
11
戯曲って扱いなのね、これ。YOUTUBEさんで、動画を見ながら並行して読了。巧緻だがシュールな世界観が良い。「小説家らしき存在」「採集」などのちょっと怖い話が特に好き。小林賢太郎のファンになってしまった。「エアメールの嘘」→「蒲田の行進曲」、「アトム」→「アトムより」のようなちょっとした連関で、綺麗に終わる公演がたまらない。ツボをかなり的確につかれる。2020/10/30
海恵 ふきる
10
文字だけで読んでもおもしろいなんて。そして、実際にあのホンを舞台で完璧にこなしてしまう、ラーメンズのお二人のその度胸と技量に、ため息しか出ない。舞台はいきものだ、と賢太郎さんがおっしゃっていたことがあったけれど、こうして戯曲と本公演を並べて観てみると、それがわかる。たしかに、ラーメンズの舞台はいきいきしている。文だけだと、やっぱりたかが知れている、と素直にそう思えた。どうしたらその発想が出てくるんだ、おもしろいものはどう見つけていくんだ。言い方で、ことばはいくらでも面白くなるんだ。賢太郎さん、ありがとう。2014/10/30
おとん707
8
題名と黒一色の本の装丁からは想像できないが、これはお笑いコントユニット・ラーメンズの小林賢太郎によるコント戯曲集。ラーメンズは小林賢太郎と片桐仁のふたりのユニットだがそのコントは奇想天外で、ふたりでさらに数人分の人物を登場させそれを演じ分けたりするのもあるのでとても複雑かつユニーク。それだけに戯曲集を読んだだけではその面白さは伝わりにくい。生のパーフォーマーとしては既に解散しているが、幸いなことにYouTubeでは大量のコント動画が配信されている。今ラーメンズをYouTubeで楽しむことができるのは幸せ。2023/10/31
かみしの
8
はじめて見たラーメンズは採集だった。当時の僕にとってお笑いといえばエンタの神様だとかレッドカーペットだったから、相当の衝撃を受けた(エンタやレッドカーペットも好きだけど)。そこから、バナナマンや東京03のコントを見漁った。僕の中でのコント観が、180度変わった。小説家らしき存在のうすら寒さ、アトム公演の公演としての完成度の高さ、ギリジンの楽譜など、ラーメンズの味を余すところなく収めた戯曲集だ。2015/12/29
ごる
6
シェイクスピアを読んでても思うのが、戯曲は声に出さないと楽しくない。ちょっぴり声抑えてしゃべってみたら、リズムが良い。ただ、舞台の映像を何度も見てるから、イメージが膨らまない…Σ(・□・;)戯曲って難しいなぁ…文章だけでは俺はどうにも楽しめん。2011/12/04