内容説明
おこうを失くした悔しさと迫りくる老いのやるせなさから酒に溺れた星川だったが、小鈴に叱られてからは仲間を守るため、そして惚れた女の仇を討つために酒を断って鍛練に励む。元同心としての勘も取り戻し、源蔵が命を狙われる理由を探るうち、ついに仇との対決の時を迎え…。おこうの秘密と死の真相が明かされる大人気シリーズ第三弾。
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年福島県生まれ。立教大学法学部卒業。93年「黒牛と妖怪」で第十七回歴史文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hideto-S@仮想書店 月舟書房
68
惚れた女を喪った男がもがく姿が描かれるシリーズ3巻。おこうを亡くした喪失感と忍び寄る老いの切なさで酒に溺れる星川。不甲斐なさを叱り飛ばす小鈴におこうの面影をみた彼は、酒をやめ鍛練に励む。その成果が試される時は、ふいにやって来た。一方、小鈴への想いを断ち切ろうとする平手は酒に沈み、さらに刹那的になっていく。幕府との戦いで大坂(大坂)を火の海に染めた大塩平八郎はやはり生きていた。幕府が戦慄する思想「愛と自由と平等」を掲げ、江戸で巻き返しを図っていた。〈居酒屋の愛される女将〉おこうのもう一つの顔が明らかになる。2015/05/09
baba
28
酒場に来る客から話しが広がっていく。怪しい人物も浮かびおこうの敵は討ったものの、更に何か裏がありそう。居酒屋の面々と葛飾北斎、平手造酒、シーボルトとの組み合わせが面白い。2016/02/10
calaf
21
秘剣老いの杖!!!力の若者vs智慧の老人?さて、元同心+岡っ引き+泥棒のコンビ、これからどうなるのやら・・・2013/02/27
ぶんぶん
20
【図書館】第3弾、遂に謎が判り始めた、鳥居耀蔵があの人だったとは・・・大塩平八郎も生きていて何かを企んでいる。 ますます、面白くなる物語、おこうも重大な役目を負っていたとは、ますます謎が深まるばかり。 早速、次巻へ!2025/04/27
とく たま
19
先代女将おこうの謎が少しずつ分かってくる。娘の小鈴にも危険が迫り、それを守る三人の身も変化してゆく。瓦版屋の源蔵は命を狙われながら岡っ引きに転身する。酒におぼれかけていた元同心星川は、小鈴の一言で己を再度鍛えなおす。歴史上の人物も登場して物語は大きく動いてゆく。星川は見事な秘剣を現し小鈴を襲う浪人二人を平手(造酒)と共に切り捨てる。このシリーズ初めての本格的剣劇シーンは、小鈴のもとを去る平手の悲哀と共に感動をよぶ。2016/09/13