内容説明
聞き上手、料理上手の女将おこうを頼って、わけありの客が集う人気居酒屋。ところが失火でおこうが落命し、彼女に惚れていた常連客の元同心・星川、瓦版屋の源蔵、元大店の若旦那・日之助は途方に暮れる。せめてもの弔いに三人は店の再建を誓うが、思わぬことから火事が付け火である証拠をつかむ…。時代小説の気鋭、待望の新シリーズ第一弾。
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年福島県生まれ。立教大学法学部卒業。93年「黒牛と妖怪」で第十七回歴史文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hideto-S@仮想書店 月舟書房
80
いい酒と旨いつまみ、そして聞き上手の女将おこうの魅力で人気を博していた江戸の居酒屋。ところが失火で店は焼失。おこうも炎に飲まれて落命した。彼女に惚れていた常連客3人は、弔いに力を合わせて店の再建に乗り出す。元同心の星川、瓦版屋の源蔵、元大店の若旦那・日之助の一癖ある人物造形が良い。居酒屋奮戦記かと思えば、ストーリーが進むにつれサスペンスの要素が出てきて、おこうの〈わけあり〉な過去が物語の軸になりそう。後半でおこうに所縁の新キャラ登場。読み終わって、全10巻のシリーズだと知った。続きが気になる。2015/05/02
ただいま蔵書整理中の18歳女子大生そっくりおじさん・寺
51
この人の小説には、理想的な人間関係と優しい眼差しがある。だから癒される。もちろん楽しく読んだ。鳥居さんの名前が出た。楽しみだ。2011/08/12
海猫
38
久々の風野作品。安心と安定の読みやすさ。まだ本格的に話は動いていないものの主役三人のキャラの立ちぷり、漂うユーモアはここにも健在でシリーズの今後を期待させられる。第一巻としてまずはなかなかの好スタートと言えよう。2011/05/12
豆乳くま
32
読友さん推薦。初風野作品。麻布の居酒屋の女将おこうに惹かれ常連となった元同心、瓦版屋、勘当された大店の若旦那。火事でおこうはなくなり傷心の三人は失火は付け火では?との疑念を持ち居酒屋を再建し調査を始める。今巻は謎が謎を呼び何一つ解決しないであらら、な肩透かしを食らったが、居酒屋を再建し新女将を募集したり他の常連達との会話が何とも楽しく結構大笑いしてしまい隣にいた主人に怪訝な顔をされてしまった。2014/10/27
とく たま
25
酒場の女将に慕情を抱く訳ありそうな三人。元同心に休刊中の瓦版屋と勘当された札差の若旦那。この酒場と共に女将は焼け死ぬが、三人が再建してゆく。火事の原因はこの刊では明らかにならない。三人の顔と酒場に集まる人の暮らしや悩みが物語を盛り上げる。そんな折、女将の○○○という女が現れ。。。明るく楽しくテンポのある江戸の娯楽ミステリー。読みだしたら止まらない。2016/09/09