内容説明
コツや秘訣を覚えても無意味だ。何かを得ることができる失敗は飢えから始まる。果てしない思考の延長上にアイデアはある。もっともやっかいで、難しく、面倒な選択肢が正解である―。置き去りにされたような孤立感を抱えながらも、淘汰の時代を生き抜くために大切な真のスタートラインを提示する。単行本未収録作品を多数含む、61の箴言。
目次
無趣味のすすめ
少数派という原則
グローバリズムは思想ではない
「好き」という言葉の罠
仕事と人生のパートナーシップ
最高傑作と「作品群」
オーラの正体
夢と目標
情熱という罠
集中と緊張とリラックス〔ほか〕
著者等紹介
村上龍[ムラカミリュウ]
1952年長崎県生まれ。76年「限りなく透明に近いブルー」で第七五回芥川賞受賞。「コインロッカー・ベイビーズ」で野間文芸新人賞、「半島を出よ」では野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。『トパーズ』『KYOKO』で映画監督も務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
84
雑誌で連載していたエッセイ。後半に民主党政権ができると書いてある。日本が本当に自信を失い、ワーキングプアを憂え、若者は就職難で、隣国と協調しようとしていた時代。喝を入れるような辛口の語りである。『限りなく透明に近いブルー』を書いていた若者が、説教をするような文章を書くようになったわけだが、断言して書くその書き方に彼自身の生き方に対する自身を感じる。なるほどと思うところに付箋をつけていたら、付箋だらけになった。龍さんの言葉。「私は個人的にマザーテレサが話す英語のような文章を書きたいと常にそう思っている」2014/07/22
マエダ
66
ここまではっきりと自分の意見を言われると気持ちが良い。短編だが一つ一つ読み応えがありどれも念入りに目を通した。「半島を出よ」が何度もでてくるが余程自身の中で特別なものがあるのであろう、即買いしてしまった。2016/02/09
ゆか
44
著者の小説は何も読んだことがない状態で本書を読了。さっぱりバッサリの文章で、今の世の中、これだけハッキリ物言うのは、地位も名誉もある人だから。そうじゃない人が言っても、説得力もなければ、負け惜しみのように聞こえる。著者の考え方は、自分と違ってる部分も多いけど、さすがだなぁ〜と思える部分も多かった。ただ、タイトルからはかけ離れた内容でした(笑)2016/07/14
団塊シニア
33
村上龍のエッセイは好きです。本書も彼独自の価値観が随所にみられ中味の濃い一冊です、政治、経済、ビジネスとテーマが多岐にわたってます。2013/02/25
カレー好き
30
村上龍さんは趣味がない。やりたいことが「仕事」になっているから。でも盆栽には興味があるらしい。でも仕事をしながらはできないから、小説を書くことを辞めてから始めようと。盆栽に嵌まってきたら、きっと盆栽のことを書きたくなるだろう。でも書き始めたらきっと盆栽はやめるだろうと。笑。☆4つ2018/12/13