内容説明
打ち寄せる快楽の苛烈さに、灯子は全身をよじらせ身悶えた。彼女が愛するカメオを彫る岳生の繊細な指は、溢れだす愛液を絡め取りながら、激烈な快感を刻み込んでくる。「欲しい…」。喘ぎながら訴えた。「まだだよ。もっと灯子の肉体を苛めたい」。カメオ職人の瀬能岳生と、彼に惹き寄せられた女たちの、切なくて狂おしい情交を描く長篇官能小説。
著者等紹介
うかみ綾乃[ウカミアヤノ]
奈良県生まれ。作家、ミュージシャン。1996年のデビュー以来、日本各地のライブハウス、サロン等で過激なパフォーマンスを展開。現在は気鋭の女流官能作家として高い注目を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
218
【読メエロ部】顔の次に男性の指に目がいくほどの、手フェチのワタクシめ。ワクテカで読み始めたが、今回はやけに男性目線のエロが続く。あー、スポニチ掲載か(笑)それにしても、つくづくうかみさんは「あえぎ声の文学」だなぁと。あえぎ声の描写読むだけで、ごはん3杯いけます。ごちそうさまでした٩(。•ω•。*)و2016/10/30
まさきち
60
【読メエロ部】カメオ職人の岳生がちょっと心に問題を抱えた女性達と交わり、快方へと向かわせていくという話を集めた短編集。タイトルから指先器用な職人の指づかいにスポットを当てたものかと期待していたけれど左程の執着は感じられず、またそれぞれの女性の誘い方にもマンネリ感があったのはちょっと残念。ただし全体としてはうかみさんらしくエロさを引き出す声の表現が満載で楽しめた一冊。2016/11/10
のんすけ
26
この作家さんの本は2作目。いろんな女性を主人公にした短編だけれど、相手の男性はすべて同じ。自分の中の女を何かしら否定的に捉えている人は、こういう男に弱いのだろうか。そしてそのひと時で女としての自信や安らぎや強さや、いろんなものを取り戻しさらに強く輝いていく。確かに隅々まで優しく大切に扱ってもらえたらそれだけで自分を好きになれるかもしれない。これが男性作家だと嫌悪感を抱くかもしれない性描写はかなり豊富です。2016/06/26
HMax
24
【読メエロ部】うかみ綾乃さん初読み。本作がデビュー作とのこと。母性本能をくすぐるカメオ職人岳生に安らぎをもらって再生する5人の女性の物語。カメオ職人ならではの指づかいが武器ということはなく、人好きのする風貌に無防備さが良い様子。ベストは「夜咲く花」咲き始めは白く、一日で赤くなるシクシン(シクンシかも)が似合う美佐代の変貌。カメオ、大昔に母が大事にしていた思い出がありますが、結構するもんですね。 2023/09/23
ふみ
21
司馬遼太郎のがエロいな、という妙な感想を抱きつつ読了。2017/03/26