内容説明
想い人・おりょうの芽柳一派旗揚げ新春歌会を控えた師走。慌ただしい日々を送る小籐次は、永代橋から落下した職人を救う。だが、男は謎の花御札を託して落命。そこには「大黒町」という江戸にはない地名が記されていた。花御札は何を意味しているのか。探索を始めた小籐次は、やがて唐人も絡む大謀略を突き止める。緊迫感溢れる展開の第十五弾。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年北九州市生まれ。日本大学芸術学部卒。『闘牛』でデビュー。98年に時代小説『密命―見参!寒月霞斬り』を発表するや、迫力のある殺陣と人情味溢れる物語で読者の圧倒的支持を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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文庫フリーク@灯れ松明の火
47
北村おりょうさま☆祝!芽柳派旗揚げ。読者としては新たな事件の種になりそうでそちらを期待。但し酔いどれさまには、これまで通り長屋暮らしを続けて欲しい。とぼけ侍絡みも今後有りそうだが、やはり小藤次には長屋住人を始めとした、市井のお仲間絡みの話が楽しい。次巻は久慈屋の祝言だろうか。蛇足ながら針穴が丸穴から楕円穴となった長崎針の件は初めて知った。2011/02/17
kinupon
40
おりょうの別の姿を見ました。結構好きです。おりょうの最後の言葉で「今日はゆっくりお話を致しましょう」と寝間に導いた・・・・。意味深ですね。2015/08/31
TakaUP48
37
芽柳一派旗揚げの準備中のおりょうの元へ久慈屋の大番頭と共に向かう途中、永代橋から落下した男から花御札を託され事件の臭い。後日、駿太郎やおりょうらと浅草寺の甘味処に寄った際、追われていた寺社奉行密偵・九条と知り合い、望外川荘で賑やかな年越しを。悪事を働く寺社奉行・寺社方同心を退治。正月明け長屋に戻ると、老中青山氏の密偵おしんが待ち構えていた。落下男との絡みから、偽金造りで元長崎奉行と唐人との取引制圧を持ちかけられ、七尺唐人との対決もあったが無事に落着。一派旗揚げには青山様も登場。後はしっとり2人の夜が…。 2021/06/05
藤枝梅安
34
北村おりょうの江戸歌壇へのデビューが近い。準備を進めるおりょうに小籐次が協力する。 永代橋から落下してきた男を川から救った小籐次だが、それが大きな事件への関わりの始めだった。 長崎奉行と江戸のつながりが明らかになり、ついには江戸湾で船戦。なんだか、「交代寄合」シリーズみたいだな。老中まで登場する娯楽時代劇。剣術の腕よりも研ぎや竹細工の腕のほうが小籐次には似合っている気がする。おりょうさんと小籐次の「大人の恋愛」が素敵だ。 2011/03/14
tengen
30
酔いどれシリーズ15弾。 おりょうの新春歌会を目前に贋金絡みの大事件に巻き込まれてしまう。 催しまでに決着をつけるべく小藤次は立ち上がった。2013/02/04