内容説明
四藩の御鑓を強奪し、主君の意趣返しを果たした赤目小籐次は、芝口新町の新兵衛長屋で浪々の身を送っていたが、ある日、見知らぬ男たちに襲われる。長屋の主・久慈屋昌右衛門の話では、先の騒動で威信を傷つけられた小城藩に不穏な動きがあるという。相次ぐ謎の投げ文、忍び寄る刺客の影―。小籐次は再び孤独な闘いを強いられる。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年北九州市生まれ。日本大学芸術学部卒。『闘牛』でデビュー。98年に時代小説『密命―見参!寒月霞斬り』を発表するや、迫力のある殺陣と人情味溢れる物語で読者の圧倒的支持を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TakaUP48
42
竹を手に入れた帰リの小籐次は、浪人に絡まれていた水野家奥女中・おりょうを助ける。久慈屋が手配してくれた小舟を使い、竹細工の引き物で研ぎ屋を開業。商売指南をしてくれた野菜売りのうづが、女郎に売られそうになり救出。四人の刺客の件から、赤穂藩古田に繋ぎを依頼し、丸亀・赤穂・臼杵・小城藩より動向を知る。呼出状にて四人組や、おりょうを語ったニセの呼出組を片付ける。小城藩で能見五郎兵衛の遺児を含め13人が藩を離れ、仇討ちに上府。小金井橋での死闘で皆殺しの末、愛刀・次直を杖に立ち上がった小籐次は、玉川上水に身を投げた。2021/04/25
kinupon
26
小籐次がとにかく強い!!おりょう様に対する淡い思いも色を添えます。 新装版は地図も付いておりより情景がわかりやすくなりました。2014/08/01
はかり
9
小籐次シリーズ2巻目。主君の恩に報いた小籐次は刃物の研ぎ商いに次の生きる道を見出した。しかし、先の闘いで敗れた小城藩が小籐次に牙をむいた。13人の刺客を前に単身のぞんでいく老身が哀れ。2019/08/18
オレンジ。
5
シリーズ第二弾。前作の「御鑓拝借」の色が濃く一応は終結したようにも見えるがずっと引きずっていくのだろうか。小籐次が強いので安心してみていられる。もっとも斬り合いの所は飛ばしているけど。。想い人のおりょうさんとの接点があったけど切ない。なんとかしてあげて欲しい。2014/12/21
えみ
4
先の騒動で命を落とした者の周囲の者たちが仇を討つため、御家に受けた恥を雪ぐため、それぞれの思いを胸に小藤次の命を刺客が狙ってきます。 刀で戦う場面での臨場感は前作同様素晴らしいです。 また何かあれば小藤次を気にかけてくれる人、商いの仕方を教えてくれる人、手伝いをしてくれる人、食事をおすそ分けしてくれる人、志を応援してくれる人、援助をしてくれる人。 支えてくれる周りの人達の優しさがグッときます。 とっても面白かったです。2015/01/27