幻冬舎アウトロー文庫
遭難フリーター

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  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784344415850
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

金がない、それだけでなんでこんなに苦しいのか。いつになれば楽になれるのか―。六〇〇万円の借金を抱えた二三歳の俺は、埼玉のプリンター工場で派遣社員になった。きつくて虚しい単純労働、嘘とエロとギャンブルにまみれた同僚たち、オナニーも見つかる寮生活。金と生きる意味を求めてさまよう若者のリアルを切り取った傑作ノンフィクション。

目次

派遣面接
借金地獄
ワケありの人々
2DKの寮生活開始
工場初日
クリーンルーム
ザ・工場労働
代用品
ガシャンシューカチャパスッガター
橋本さん〔ほか〕

著者等紹介

岩淵弘樹[イワブチヒロキ]
1983年宮城県生まれ。東北芸術工科大学映像コース卒業後、埼玉県の工場で派遣社員として働く。その生活を記録したドキュメンタリー映画『遭難フリーター』が、山形国際ドキュメンタリー映画祭2007ニュードックスジャパンに招待され、各地での上映が続いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ジョニーウォーカー

18
高校時代に工場でガスメーターを作るアルバイトをしたことがあるが、連日の単純作業に、ついには夢の中でまで作業を続ける自分がいた。夜中にハッと目覚め「ああ今はもう作業しなくていいんだ」とホッとしてまた眠りにつく…。著者が経験したような工場での派遣労働の場合、肉体的・経済的なキツさももちろんあるだろうが、最大の問題は“心まで痩せてしまう”こと。誰でもできる仕事ほどモチベーションを保つのって難しい。失踪をくり返し職場を転々とするシニア世代の派遣労働者の多さに、彼らの果てしない甘えと絶望を見た。2011/01/09

kana

11
数年前に読んだ本で「フリーターは”自由人”じゃない。ドリフター(漂流者)だ」と言われていた。フリーターの社会での身の置き場のなさ…自分の住む島を見つけられずに溺れそうな感じが、切実に表現されている。社食で正社員と比べ、劣等感を感じる様子にシンパシーを感じた。まともな仕事仲間との団欒、社食のちゃんとした定食。そんな日常の一コマが羨ましくてたまらなくなってしまう気持ちがとてもよく分かる。岩淵さんは「映像を編集したい」という目標があったから、そこは他のフリーターと違う所なのだと思う。2018/07/07

hautan 

8
図書館本。意外と面白く読めた。この主人公、キャッシングが多過ぎて驚いたが借金をまた金融会社から借りて返すというやり方、以前知人で居たのでリアルに感じました。結局は自己破産しちゃった様ですが。2019/07/22

たんたん麺

8
派遣社員としてプリンター工場で働く著者のノンフィクションです!「毎日、同一のスケジュールで疲れだけが蓄積されていく。目が覚めたときの憂鬱感が日に日に増してゆく。狂ってるよ、こんなことのために生きてるんじゃない。飽きる。気味悪くなるくらい同じ作業。ぐるぐるぐるぐる同じ毎日」高橋源一郎の解説もよかった。『ものを考えさせない「地獄」の中で、生きてゆくこと。だが、ものを考えさせない「地獄」とは、「工場」の中だけなのだろうか。そう「考える」とき、この世界の秘密を、ぼくたちは知ることになるのである』ヤバイ世の中だ!2017/05/20

ががが

6
自分が工場勤務になったら絶対再読しようと決めていた本。借金返済のために埼玉のキャノンの工場で働く23歳の手記。東京に近いという理由で職場を決めたり、日雇いの仕事を探しに山谷に行くなど、もうちょっと考えて行動すればもっとうまくやれるのにと、少し冷めた視点で今回は読んでしまった。単純な肉体労働というのは、何も考えなくてもできるがゆえに、脳が暇になってしまい、考える必要のないことをぐるぐる考えてしまい思考、ひいては性格が澱みきってしまう。同じ工場勤務でも派遣だとこうも絶望的かと何回か読んでて思った。2019/05/18

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