内容説明
米沢藩・上杉家から高家旗本の吉良上野介に嫁いだ富子は、仕事熱心な夫との仲も睦まじく、子宝にもめぐまれた。上杉家へ長男を養子に出し、実家と婚家の絆も一層深まっていた。しかしその平穏な生活は、夫が江戸城内で突然斬りつけられ、赤穂浪士に敵として討ち取られたことで一変する―。妻の視点から上野介の実像を描いた「忠臣蔵」の真相。
著者等紹介
鈴木由紀子[スズキユキコ]
山形県生まれ。『闇はわれを阻まず山本覚馬伝』で第四回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
49
忠臣蔵の違和感がスッキリしました。吉良上野介の妻の視点で語られる物語は、世間的な忠臣蔵とは違い、真相を語っています。決して英雄譚などではないのだと思いました。2020/09/15
もりやまたけよし
27
事件の被害者なのにワイドショーで叩かれてしまう。吉良上野介はまさにそんな気の毒な人だったという話です。こういう話はやはり重い気分になります。2018/03/09
喪中の雨巫女。
14
吉良さんも被害者だと思い出したのが、石坂浩二さんが、吉良さんを演じられた時(大河ドラマの時)2010/11/03
鐵太郎
11
赤穂事件における不合理、無理、心情的にも法的にも納得のいかない判決などを、作家はほとんど記録のない吉良義央の糟糠の妻、富子を中心にして描いています。そこから見えるのは、まったく「義」のたたない事件の流れ。面白い、こんな視点もありか。2010/12/11
まりりんりん
5
「このような無法が、ゆるされてよいものか。」上野介の妻から見た本当の赤穂事件とは? 帯のこのキャッチフレーズに引かれて購入したのが3年前。それからずっと積読してたのを、ようやく読破。毎年この時期は「忠臣蔵」がさまざまな分野で繰り返し演じられているが、吉良家からの物語は初。読んでみて、読んでよかったと思った。もっと吉良サイドからの史実に基づいた話が映画化やドラマ化されるべき。そろそろ本当の「赤穂事件」が知らされてもいいはず。2013/12/21
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