内容説明
豊後森藩江戸下屋敷の貧しい厩番の倅、赤目小籐次に、悪童仲間から儲け仕事が舞い込む。天明の改革が頓挫し、世は打毀し流行り。ために、大地主の津之國屋が金蔵の警備を願っているという。小籐次は胡乱な話と思いつつ誘いに乗るが、その判断は仲間の生死に係る大事件の端緒となった。「酔いどれ小籐次留書」ガイドブックも収録。ファン必携の書。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年北九州市生まれ。日本大学芸術学部卒。『闘牛』でデビュー。98年に時代小説『密命―見参!寒月霞斬り』を発表するや、迫力のある殺陣と人情味溢れる物語で読者の圧倒的支持を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TakaUP48
43
小籐次18歳。天明の時世が始まり、誰もの暮らしが苦しかった頃、豊後森藩江戸下屋敷厩番の倅のもとに、大地主・津之國屋の金蔵の警備の依頼が舞い込む。「大和小路若衆組」の頭分松平家三男坊・保雅のお声掛かりだ。だが、胡乱臭さを感じた小籐次が調べて行くと…。この件で、小籐次は初めて人を殺める!この頃から機転の利く子供?だったことが窺える。他にガイドブックとして、登場人物・作品解説・十番勝負・御鑓拝借諸藩事情・江戸庶民の暮らし・著者インタビューが附いている。シリーズ復習と江戸暮らしの知識が増えるファン必携の書だった!2021/05/30
kinupon
38
これで「旧主再会」の話につながりました。若かりし頃の小籐次ですが、やっぱり強い^^。2015/09/30
藤枝梅安
18
若き日の小籐次が関わった「騒ぎ」を描く1編と、シリーズのガイドブックをまとめた1冊。「鬼平」の若い頃のエピソードを思い出した。池波さんは、「鬼平」のなかで折に触れて若き日の平蔵のエピソードを挿入していたが、佐伯さんは小籐次の過去を今まで語らなかったのだ。ガイドの方は、登場人物、バックナンバーの解説、江戸庶民の暮らしと作者インタビューという無難な構成。もう一工夫欲しかったな。2010/09/07
calaf
17
一息ついて、小藤次の青年時代の話でシリーズ番外編。図書館本には14.5巻って書いてあるけど (^_^;;;2014/10/15
文庫フリーク@灯れ松明の火
17
18歳でも小藤次は小藤次。若さはあまり感じない。父親との暮らしで剣・櫓の扱い・研ぎの技を否応なしにたたき込まれる姿を読みたかった。2010/08/22