内容説明
会社を辞め、東南アジアへ旅に出た。遊園地にしか見えない教団施設、仏像の迷路、バナナを頭にのせた虎の像、四階建てビルを枕にした巨大仏など、奇奇怪怪なものが続々登場。しかもその道程は、オンボロバスに乗せられたり、オカマの祭りで股間に危機が訪れたり、精霊が霊媒師に乗り移る瞬間を見たりと、ハイパーデンジャラス!快笑旅エッセイ。
目次
笑う庭―香港
ココナツ教団ロケットの謎―ミトー
顔の林―アンコール遺跡
不思議盆栽調べ―ハノイ
変な寺だけ見て帰った男―ノンカイ、ビエンチャン
ラオスの山里で不本意だった―ナンバク
精霊無法地帯―マウントポッパ
迷子マイラブ―パガン、ピンダヤ
仏像あふれる素敵な町―モニワ
オカマ網、大突破―タウンビョン
築山をうろついて―マンダレー、ヤンゴン
地獄の沙汰も遊園地―バンコク
著者等紹介
宮田珠己[ミヤタタマキ]
兵庫県生まれ。旅とレジャーのエッセイを中心に執筆活動を続ける。『東南アジア四次元日記』で第3回酒飲み書店員大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆいまある
60
もうちょっとしてから読もうと思っていたのだが、「旅に出るため、会社を辞めた」の出だしにしびれてしまって一気読み。10年働いた会社(リクルート)で稼いだお金を握りしめて、香港を皮切りにアジアを周り、マレー半島を南下すると聞くと沢木耕太郎の深夜特急などを思い出すのだが、全然違う!どうして変な仏像及び変な建造物を探すことにここまで拘るのか。アスペ汁ほとばしっとるやないかい。その高い知性と教養をこんなことに使っていいのか。珠己さんには是非、インドを旅してヒンズーの神々との邂逅を果たして頂きたい。そんな本読みたい。2019/01/06
saga
39
記念すべき会社退職後独り立ち作品。デビュー作が強烈過ぎたためか、本作の文章は「守り」に入った感があった。しかし、旅行先は不思議ワールドが広がる東南アジア。ミャンマーのオカマは勘弁してもらいたいが、その他の寺院には行ってみたい。真理はあとがきにあった。「我々は現実の自分の旅が、どこかで見、聞いた旅の追体験にどうしてもなってしまうジレンマの中にいるのである。」2014/04/07
ミナコ@灯れ松明の火
26
面白い。こんなにも面白いのに旅好きな友人にも本好きな友人にもなんとなく薦め難い。人気が出て欲しい!でもわたしだけのタマキングでいてほしい!という無茶苦茶な思いも少々あったり・・。こんな「自分さがしの旅」があったっていいじゃないの。2010/11/02
えいきち☆。
20
タマキング3作目! 次は巨大仏にすすむわけだが、あまり急ぐと読むものがなくなっちゃうので、ここらで小休止。 電車の中で冷たい視線をものともせず、堪能!私はこの本に笑わされているのであって、決して変なオジサンではないので、そんな目で見ないように!2010/08/26
たかやん
19
面白いんだけどもなにか違う。筆者=宮田珠巳さんの「ヘンテコさ」と東南アジアの国々の「ヘンテコさ」とで相殺されてしまっているような。言ってしまえば「べつに宮田さんじゃなくても東南アジアのロケーションならある程度面白い読み物が出来ちゃうのでは?」という疑念を最後まで払拭できなかったです。次はいつも通りに国内の"宮田珠己"本を。2019/01/26