内容説明
下品、野卑、矮小、間抜け、暴力的、自分勝手、過剰な自意識と無意識…人間(おもに無名人)の、あらゆる愚かさを冷徹な観察眼で濃厚に描き、笑ってはならぬと思いながらも笑ってしまう究極のエンタテインメント。「中年愛への原体験」「内田研究とビッグバン」「尹松淑さんのこと」他、名作多数を含む現代日本の「旧約聖書」、珠玉の人間紀行。
目次
根本敬、“中年愛”への原体験
内田研究とビッグバン―ここで特別インタビュー「あいつは日本一の馬鹿だ!!」
山野辺君小話
幻の名盤解放同盟
そして同盟は玄海灘を渡る
蛭子能収を知る
尹松淑さんのこと
文さん
超能力演歌歌手サバヒゲ
山野辺君のオヤジの精子
奥崎謙三先生
しおさいの里
勝新太郎―マイ・ウェイ 大陸は沈まない(劇画評伝 越境者・勝新太郎)
著者等紹介
根本敬[ネモトタカシ]
1958年、東京都生まれ。81年、雑誌「ガロ」でデビュー。以来「特殊漫画」の道を突き進み、漫画界の極北に位置する。2008年、第11回みうらじゅん賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
怜
38
ものすごい毒。それでいて読ませるって、どーなんよ?正直根本作品をあまり知らないひとにはオススメできないかも、しれない。ギリギリセーフなんだかアウトなんだかの人間観察。でもやるんだよ!座右の銘いただきました、はい2014/11/11
gtn
27
著者の友人Uのエピソードに辟易する。これほど私生活を暴いても大丈夫と著者が踏んだのも、Uが蛭子能収氏と同じく、自分だけの世界の住人だからだろう。犬がいくら吠えても、ああうるさいなとしか感じない。そして、そんな人間を引き寄せる著者にも、同じ生命の傾向性がある。2020/07/28
ユーカ
23
ポンコツ人間図鑑。濃い~。お腹いっぱい。こういう風に俯瞰してみると、自分もかなり濃い~。2016/03/14
なる
18
幻の名盤解放同盟の主軸である根本敬の『人生解毒波止場』よりも前にあたる作品。その醜悪さ、下品さ、悪趣味さは群を抜いている。大学時代の悪友をひたすらレポートした「内田研究とビッグバン」や韓国で遭遇した初老のガイド「尹松淑のこと」、「超能力演歌歌手サバヒゲ」など、自分の世界を強烈に持つ人達を徹底的に「取材対象」とするエッセイが詰まっている。アナーキスト奥崎謙三や、日本のカルチャーにおいて金字塔となった名言「でもやるんだよ!」が初登場する「しおさいの里」も収録。要するに読まなくても人生に何の影響もない。2024/08/19
ヨーイチ
17
根本さんの本は「人生解毒波止場」以来二冊目。ガロ系文化って基本的に苦手。ファンではけしてない。但し、「解毒」が余りにも強烈で、他人にも吹聴していた時期があった。漫画付きだったし。作者も齢を重ねたであろうし、大変わりした平成の現代にこういうスタンスはどうなのか?という興味が本書を購入した動機の様な気がする。全くため息が出るほどの「無自覚」な人々が跳梁跋扈している。ある意味「羨ましい」という気さえする。釜山編での自称日本語教師爺さんの件は圧巻。韓国って行ったこと無いが、確かに嘗てはこうだったであろう、と妙な納2014/04/09