内容説明
「ウラなんかとるな!」「三島由紀夫が死んでもうちは関係ない。一面は馬場の流血でいけ」「競合他社のストを支援してこい」。―驚愕の編集方針をもとに、多くの読者に愛され、快進撃を続けてきた東京スポーツ新聞社。その黄金時代の昭和40年代前半に入社し、いまも語り継がれる伝説の記事を書き残した記者たちの、壮絶かつ荒唐無稽な物語。
目次
序章 「マドンナ囮」作戦
第1章 烏合の兵卒
第2章 捷1号作戦発令
第3章 開戦前夜
第4章 奇襲攻撃
第5章 内乱勃発
第6章 戦場に吹く嵐
終章 東スポ戦線異状ナシ
著者等紹介
赤神信[アカガミシン]
1945年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、東京スポーツ新聞社入社。文化部、野球部記者を経て、広告部に所属。二十年の記者生活ののち、作家に転身。日本推理作家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちくわん
16
2009年12月の本。東京スポーツ新聞社の元記者が昭和40年前半から平成最初の頃までの社内のドタバタを面白おかしく紹介する。やはり東スポはプロレスに強い。山田、桜井、門馬の三氏も在籍した。破天荒な社長の井上博氏が気になる。それにしても「幻冬舎アウトロー文庫」の他の本が気にな…。2021/06/26
緋莢
8
三島由紀夫が割腹自殺をした翌日の一面はジャイアント馬場の流血・・・「ウラなんかとるな!」を元に、他紙とはまるで違う編集方針を取り、“東スポ”の愛称で知られるスポーツ新聞「東京スポーツ」。多くの人を惹きつけた記事を書いた記者たちの姿を記したノンフィクション。2014/06/09
caniTSUYO
3
東スポ黎明期に新人記者だった著者ひよる東スポ黄金期を綴った自叙伝。銭湯を改装したオフィス〜大手スポーツ新聞と比肩するまでに会社を成長させる要因の大部分を担った井上社長の部数増のための作戦(販売店にある他紙にガムやカレー粉をつけたり、業界の協定を破り休刊日を狙って自社の新聞売ったり…)は最早軍部の大将みたで痛快だった。また名ばかり管理職をガンガン左遷/首切り若手を登用する組織の活性化を図る様も組織論として全うだ!この大躍進は三島の自殺よりも馬場流血を一面にする反骨的企業風土があってこそだったんだろうな2017/04/23
syam
2
積み重ねられたエピソードが突然終わって投げ出された感がある本。面白いけど、めちゃめちゃすぎて当事者になるのは嫌だなぁ。2010/06/16
Nak34
2
恐るべし、東スポ。若い時は、これだ!と思ったに違いない。今は、身に詰まされる。「反骨精神はあるのか、保身に走ってんじゃないの?」「30代前半の部長どもにお前は勝てるのか?」くそ、這い上がってやる。(いい言葉:「井の蛙、大海を知らず。されど、空の深さを知る」「衣食足りて、礼節を知る」「玉磨かざれば光なし。人学ばざれば知なし。」)2010/02/25