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幻冬舎文庫
村上春樹 イエローページ〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 436p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784344413658
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

内容説明

1995年の阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件を通過して、村上の作品世界は大きく変わった。これまでの、「喪失感」「こちら側とあちら側」「メタフォリック(隠喩)」といったキーワードではもはや読み解けない、春樹ワールドの地殻変動とは?話題作『1Q84』の理解も深める全六編を緻密に読解。静かに読み継がれてきた春樹研究本の完結編。

目次

第1章 それからの村上春樹―1995年以降の展開
第2章 「ただの人」VS「稚拙な物語」―『アンダーグラウンド』『約束された場所で』
第3章 現実の新しい様相―『スプートニクの恋人』
第4章 地震と父なるものの影―『神の子どもたちはみな踊る』
第5章 心の闇の“冥界”めぐり―『海辺のカフカ』
第6章 『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の語るもの
補章 「全体的な喩」、「神の子どもたち」、そして「稚拙な物語」―『アフターダーク』『東京奇譚集』『1Q84』

著者等紹介

加藤典洋[カトウノリヒロ]
1948年山形県生まれ。東京大学文学部仏文科卒。早稲田大学国際教養学部教授。文芸評論家。「言語表現法講義」で第十回新潮学芸賞、「敗戦後論」第九回伊藤整文学賞、「テクストから遠く離れて」「小説の未来」で第七回桑原武夫学芸賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

42
よくW村上として比較される両者は、たまたま苗字が同じなだけでなく、同年代で肩書きなく現役な純文学作家といえば、恐らくこの2人しか残っていないのではないでしょうか。その一方の村上龍はゼロ年代に失速、村上春樹が今も現役なのは本書で扱われている阪神大震災、オウムの95年以降の作品があるからでしょう。比較にこだわりたいのは、この2人は90年代からゼロ年代に掛けて、企業やサッカーなど当時の社会状況に直接コミットしていたようにみえたのは龍の方だった逆転があることにあります。春樹は直接社会に対するメッセージを発した作品2021/10/07

χ

6
著者の目の付け所のよさは健在。スプートニク〜の服の色や神の子供〜の一連の眠りとの関係などこういう細かいところに注意して読むとまた違った楽しみがある、と気づかせてくれる。脚注が面白かったのと空白が広いのとでドッグイヤーはページの下である2017/12/11

なつのおすすめあにめ

4
例えば『街と、その不確かな壁』という作者本人が失敗作として封印した作品を掘り起こしてまで読むよりも、この真摯に作品と向き合った評論を読むほうが、よっぽっど作家の本質に迫れるのではないかと思う。ポール・トーマス・アンダーソンや、寄生獣を出すのは、こじつけの感があるものの、村上春樹作品の広がりに一役買っているか。自分は『輪るピングドラム』のような暗喩を浴びるような作品が好きで、幾原邦彦監督が村上春樹を読み込んでいると聞いて、ここまできたので、とても満足していて、なのでイエローページ4が生まれないのは残念です。2020/06/18

nakaraitohsui

3
村上春樹本ではイエローページが突出して面白いと思う。『神の子』と『カフカ』分析には興奮した。でも前二作より恣意的なこじつけとか象徴論が増えた気もするけど、こういうもんだっけか。とにかく楽しみにしていてようやっと出た3でした。むかし勘違いして2を二冊買っちまったのは内緒です。4も楽しみにしていますぜよ。2009/10/20

Arowana

2
ここまで深読みしてなかっただけに、プロの評論家の洞察力の鋭さに感服した次第。手堅い論拠に基づいた推論と邪推とを断りを入れたうえで区別して書かれているので、客観的に読もうとする努めの妨げにはならないと思う。何にせよ、いろんな本と読み比べてみるのがいちばんよいだろう。2013/05/11

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