内容説明
大店の幼女を狙った連続誘拐事件には、どのような裏があるのか。当代切っての立女形・岩井半四郎から芝居見物に誘われた小籐次は駿太郎の健やかな成長も相まって束の間の平穏を味わっていたが、ふとした拍子に下手人らしき賊の居所を突き止める。小籐次は御用に同道するが、騒動はそれだけに留まらなかった…。人気シリーズ、怒涛の第十二弾。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年北九州市生まれ。日本大学芸術学部卒。『闘牛』でデビュー。98年に時代小説『密命―見参!寒月霞斬り』を発表するや、迫力のある殺陣と人情味溢れる物語で読者の圧倒的支持を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
47
「杜若艶姿」には(とじゃくあですがた)とルビが振ってある。「杜若」をカキツバタと読むならば、カキツバタの艶やかな姿とは何を指しているのか。やはりおりょう様であろう。「いずれがアヤメかカキツバタ」という言葉もあるが、カキツバタをおりょう様とすれば、アヤメは水野家の奥方お登季様だろうか。その二人をエスコートしてモクズガニ似の不器量小籐次が芝居見物に出かける。こういっちゃなんだが小籐次に華やかな表舞台は似合わない。しかしまあ、これも小籐次の十数年にわたる秘する想いに対する著者のプレゼントか……2012/02/08
TakaUP48
40
駿太郎がよちよち歩きを始め出した頃、連続幼女誘拐事件が発生。小籐次の機転で秀次親分と解決。その礼は、三者二様。1朱と四斗樽3つと50両。立女形五代目岩井半四郎のたっての芝居招待に、おりょうや水野家奥方と共に出掛けることに。長屋への怪しい動きに四家の常連衆を呼び、様子を聞く。後に赤穂藩古田より深題目付・倉前の野望と知る。新作芝居の初日に出掛け、何と劇中で小籐次に助けを求める場面が。眼千両、首千両合わせて二千両の舞台に、客は拍手喝采大興奮!女衆を屋敷に送った後、倉前一味が現れ、小籐次が怒りの流れ胴斬りだ。2021/05/25
くまクマ
20
国三が心配だ。勉強して強くなって戻ってくる事を期待する。2021/04/17
calaf
17
相変わらず厄介事がどんどんと舞い込んでくる人だ...それでもそれなりに無事に(?)暮らしているようです。でも、そんな中を芝居見物というのは...確かに乗り気になれないのは当然かも (^_^;;;2014/05/28
はかり
14
今冊は芝居小屋が舞台になるが、眼千両に一首千両をひっかけるとは流石。それにしても、小籐次の周りには善良な人ばかり。駿太郎の面倒も皆がよくみてくれる。駿太郎も順調の成長しており、小籐次も研ぎ仕事に専念できる。丁稚の国三も浮かれ態度にお灸をすえられる始末に。2020/04/10