内容説明
将軍の密命により、駿府を目指す十兵衛は、瀕死の男から砂糖菓子を託される。菓子を狙う刺客が次々と現れるが、十兵衛は駿府に辿り着く。そこでは将軍の弟・忠長が、側室と愛欲に耽る生活を送っていた。菓子は、その側室が忠長に献上しているものだったが、そこには、恐るべき幕府転覆の謀略が隠されていた―。青年剣士の姿を描く時代活劇。
著者等紹介
秋山香乃[アキヤマカノ]
1968年、北九州市生まれ。活水女子短大卒業。柳生新陰流居合道四段。デビュー作の『歳三 往きてまた』(文芸社)が新選組ファンのみならず、時代小説ファンの支持を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
54
新陰流最強!この父子最高!天賦の才に恵まれた者とは違う形で高みに達した完成された剣。技術も然る事乍ら相手の心を読み、巧みに動かすことのできるその心理術。これが有名な心法論かと感嘆。どちらかというと父・柳生宗矩の方が好みで柳生最強剣士は宗矩と決めてかかっていたけれど、この小説の主人公である嫡男・柳生十兵衛の良さがじわじわと心を侵食してくる。自分は未熟だと凡人の突出した一人に過ぎないと苦しみ悩み、弟の才能に嫉妬しそんな自分を恥じる。十兵衛が人知れず抱えた焦燥。幕府転覆を企む一派を前にどう戦うか。手汗止まらん!2021/10/04
金吾
21
超人みたいに描かれることが多い、柳生十兵衛が常人として書かれており新鮮でした。2024/04/04
しをり
3
忍者と聞くとなぜかわくわくする。江戸時代、三代家光将軍の治世、柳生家に活躍する男前な十兵衛が影となって徳川家存続のために働く。運命にあらがって見栄を張って流されまいとするのが男なら、うまく流されてみるのが女という台詞は時代小説の男女の極化した役割を柔らかく受け入れさせてくれる。2012/11/19
Mikey
1
将軍家光の隠密と言われた柳生十兵衛を活躍を描いている。家光と忠長の確執に基づくゴタゴタを十兵衛が中心になり柳生が解決していく物語りに仕上げた著者の創造力に感激。とても面白かった。 2023/01/29
アキ
0
若い柳生十兵衛が徐々に強くなっていくさまが読んでいて痛快。まさに活劇。家光の成長もよい。2015/01/21
-
- 和書
- 風葬の教室 河出文庫